dodaが新しい時代に求められる営業職に関する調査を実施した。なお、同調査の「新しい時代に求められる営業職(以下、新時代の営業職)」は、これからの時代にいっそう需要が高まることが予想される「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」などを指している。
業種別求人数1位は「インターネット・広告・メディア」
2021年1月から9月までに「doda」に掲載された「新時代の営業職」における業種別求人数の順位は、1位が「インターネット・広告・メディア」、次いで「IT・通信」、「人材サービス・アウトソーシング」の順に。これらの業界はテレワークの導入がコロナ禍以前から進んでおり、出社を前提としない「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」職との親和性の高さが求人数につながったことが想定される。
また、前年増加率の順位は、1位が「教育」、次いで「メーカー(機械・電気)」、「医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス」という結果に。教育現場ではコロナ禍の影響で大勢での対面授業の実施が難しくなり、自宅で受講できるeラーニングなどのオンライン学習が拡大したことを背景に、SaaS系企業の成長が促進され、「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」職が重要視されるようになった背景が予想される。 「メーカー(機械・電気)」や「医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス」については、業界の商習慣として対面でのアポイントが基本であったが、コロナ禍を契機に営業活動のDX化が進み、契約後のアフターフォローが非対面で行われるなどの変化が生じたこと、オンライン診療の普及などの理由から求人数を伸ばしたことが想定される。
「新時代営業職」求人数は、3年弱で約9.6倍に
「doda」に掲載されている「新時代の営業職」の求人数を2019年1月と2021年9月で比較すると、約9.6倍に増加していることが明らかに。また、2021年7月の前回調査と比較すると約1.3倍増加していた。営業職全体の推移は依然としてほぼ横ばいであるため、「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」職などがとくに増えていることが見て取れる結果に。
年収設定は営業職全体よりも高い傾向に
2021年9月度の「doda」に掲載されている「新時代の営業職」求人の給与の上・下限区分において、給与上限としてもっとも設定の多い年収は「650万円」、次いで「800万円」、「900万円」の順となった。一方で、営業職全体の求人の給与の上・下限区分においては、給与上限としてもっとも設定の多い年収は「650万円」、次いで「550万円」、「800万円」の順であった。
これは、「新時代の営業職」が日本で導入され始めてからの日の浅さから、企業が新たに「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」職などを募集する際に経験者や部門の責任者を優先的に採用する傾向が見られることに起因していることが想定される。ゆえに、未経験者採用も積極的に受け入れている営業職全体よりも年収設定が高い傾向にあることが考えられる。一部企業では「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」部門の体制が整い、未経験者採用を開始している企業も見受けられるため、今後、「新時代の営業職」の年収設定は営業職全体に近づいていくことも予想される。