アドビは、9月1日の防災の日に向けて、企業の総務担当者500名を対象に「社内データの備えと管理」に関する調査結果を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、企業のBCP(事業継続計画)対策としてテレワークや書類のデジタル化がこれまで以上に重要になっている中、契約書などの書類が社内でどのように扱われ、保管・管理されているか調べるため、従業員数30名から300名の中小・小規模企業、および301名以上の企業総務担当者、計500名を対象に行ったもの。
社内の書類データの管理方法を聞いたところ、紙を使わずデジタルデータで管理できていると回答した企業は全体の11%に。特に従業員数300名以下の企業では7.6%と低い結果となった。
情報のコピーやバックアップを取っているかを聞いたところ、バックアップの実施率は全体の68.4%で、ほとんど取れていない、または全く取れていないという回答が2割以上となった。
契約書類や社内データなど、複数の人で確認する必要がある際、書類を紙で印刷して1人ずつ回して確認したりするようなシーンが社内にあるかを聞いたところ、頻繁にあるが22.6%、ときどきあるが44.8%と合わせて7割近くの企業で紙での確認が慣例化していることがわかった。
調査結果を受け、アドビ株式会社 マーケティング本部 バイスプレジデント 秋田 夏実は次のように述べている。
「新型コロナウイルスの感染拡大はさることながら、自然災害の多い日本では中小・小規模企業でもBCPの策定が重要となります。洪水や地震等の災害が起こる度に、紙だけで保存されていた各種重要資料が失われるという事例が頻発しています。9月1日の防災の日を前に、社内の情報管理や従来紙で行われてきた稟議プロセスの見直しとともに、データのバックアップや管理負担の軽減の観点からもクラウドサービスの積極的活用が重要です」