NECは、New Normal(ニューノーマル)時代の新しい働き方をデジタルトランスフォーメーション(DX)の力で実現するデジタルオフィスのプロジェクトを始動した。
今回、新たな取り組みとして、New Normal時代に求められるオフィスの在り方を見据え、生体認証や映像解析などの先進ICTを活用し、ゲートレス入退システムやマスク対応レジレス店舗などのさまざまなシステム実証を同社本社ビル内にて開始した。
同社では、グループ社員約10万人を対象に、従来よりリモート環境での働き方を実現するDigital Work Placeの社内基盤を構築するとともに、DXの開発実績・ノウハウを生かし、企業・組織のデジタルシフトを加速する製品・サービスの提供を進めている。今回、新型コロナウイルス感染拡大の影響により新たな局面を迎えた社会環境のなか、オフィスで働く環境として見えてきた課題への対応として、生体認証や映像解析などの先進ICTを活用したNew Normal時代の新しい働き方を実現するさまざまなシステム実証を開始する。
同実証は、⽣体認証による共通のDigital IDでさまざまなシステムをつなぎ、社員やゲストに対して安全かつ快適なサービスを実現する認証基盤を活⽤しており、New Normal時代に対応したオフィス環境の評価・検証を⾏うものである。
NEC Digital IDゲートレスエントランス/NEC Digital ID⼊退場ゲート(ショールーム⼊⼝/正⾯⽞関⼊⼝)
顔認証⽤カメラやサーマルカメラを活⽤した2種類の⼊退管理ソリューションを導⼊。NEC Digital IDゲートレスエントランスは、マスクを着⽤した状態でも複数の⼈を同時に検出・照合し、⼊場ゲートや警備員によるセキュリティチェックで⽴ち⽌まることなく本⼈確認が可能。さらに、通⾏者の体表⾯温度を⾃動測定しており、感染症対策も同時に⾏うことも可能だという。これにより、オープンな雰囲気をつくりたいオフィスや施設のエントランスなどで安全性と運⽤の効率性を両⽴した⼊退管理を実現する。また、NEC Digital ID⼊退場ゲートは、物理的なフラッパーゲートの設置や既存のセキュリティ環境との連携など、より厳格な⼊退管理の仕組みを実現するという。
なお、両ソリューションともにプライバシーに配慮し、社員個⼈の情報を守る仕組みとして幾何学アバターを採⽤。認証時に⽒名や社員番号などを表⽰せずに個々の社員に割り振られた幾何学模様を表⽰することで、⾃⾝が正しく認証されていることを本⼈のみ知ることが可能となっている。
マスク対応レジレス決済(社内売店)
店舗内に設置したカメラや映像認識技術などを組み合わせ、レジを通さず⼿に取った商品を⾃動で決済可能なレジレス型店舗システム。マスク着⽤時でも顔認証で本⼈を照合可能なため、感染症対策としての安全性とスムーズな購買体験の両⽴を実現している。
NEC Digital ID決済POS(社内売店)
パターン認証と顔認証の2要素認証により、POS端末など既存の店舗システムともシームレスに連携し、容易かつセキュアに決済が可能。同実証では、マスク着⽤時における本⼈確認や、給料天引きやクレジットカード⽀払いのふたつの決済⽅法にも対応している。
NEC マスク着⽤検知(通路)
歩⾏者のマスク着⽤の有無を⼈物検知カメラで⾃動的に判定し、未着⽤の場合は本⼈に対してその場でアラート通知を⾏う。これにより、⼈が集まりやすい場所や厳重な安全管理が求められるイベントなどでのマスク着⽤の徹底を実現する。
NEC 居場所お知らせガイド(業務エリア)
映像解析技術を活⽤し、指定した社員の作業場所をスマートフォンなどからフロアマップ上でリアルタイムに把握すること可能。また、フロア全体の混雑状況などもひと目で分かるため、フリーアドレスにおける利便性・⽣産性向上を実現する。
NEC 混雑状況可視化(⾷堂、エレベーターホールなど)
⾷堂やエレベーターホールなどの混雑状況を映像解析技術で可視化し、⾃席のPCなどからリアルタイムで⼈数や混雑度などの状況を簡単に確認することが可能。これにより、混雑分散による待ち時間の短縮や密状態の回避を実現する。
顔認証を活⽤したロッカー、⾃動販売機、⾃動ドア、複合機、共有PC利⽤システム(業務エリアなど)
本⼈の同意のもと事前に登録した顔データに基づき、さまざまなシーンで顔認証を活⽤したタッチレスによる効率化を実現。具体的には、鍵を持たずに荷物の⼀時保管が可能なNEC Digital IDロッカーや、安全かつスムーズなキャッシュレス決済が可能なDigital ID⾃動販売機を新たに導⼊している。また業務⽤のフロアでは、顔を向けるだけで厳格なエリア⼊場管理を⾏う顔認証⾃動ドアや、パスワード⼊⼒や社員証を⽤いることなく容易に利⽤可能な顔認証複合機・共有PCを設置している。
NEC Digital ID ゲストウェルカムサイネージ(会議室エリア)
ICTを活⽤したゲストへのおもてなしとして、来訪時の顔認証による出迎えメッセージ(名前、会議室情報など)の表⽰機能や、ちょっとした空き時間に楽しめる笑顔測定を活⽤した写真撮影の機能などを組み合わせたサイネージシステムを設置している。なお、ゲストの来訪時に⾯会予定の社員のスマートフォンにリアルタイムで通知されるため、スムーズな案内が可能となる。
また、⽒名・顔写真・所属部署などの社員情報をデジタル化し、スマートフォンを⽤いてタッチレスで社員とゲストとの名刺管理が可能なオンライン名刺管理ソリューションも開発し、社員とゲストとの安全かつスムーズな対⾯によるコミュニケーションを実現する。
同社は、これらの実証の成果・ノウハウを踏まえ、2020年度内を⽬途に順次各ソリューションの提供を開始するとのこと。