アドビ システムズは、中小企業・小規模企業の判子慣習の実態を探るため、経営者を対象に行った判子(ハンコ)の利用実態調査の結果を発表した。今回の調査で明らかになった主な結果は、次のとおり。
契約手法は判子83%で最多、電子契約は17.8% 「判子は生産性を下げている」72.6%
直近1年間の契約手法を聞いたところ、判子を使った契約が83.0%ともっとも多く、電子サインなど判子を使わない電子契約の利用率は17.8%に留まる結果となった。
判子(捺印)文化が仕事の生産性にどのような影響を与えていると思うか聞いたところ、「生産性をとても下げていると思う」と「生産性を下げていると思う」が合わせて72.6%に。
このことから、多くの人が判子(捺印)文化は生産性を下げていると考えている反面、いまだに判子を伴った契約業務が大半を占めることが明らかになった。
約75%が判子習慣撤廃に賛成するも、半数が「撤廃は容易でない」と回答 最多要因は取引先の契約形態
仕事で判子を使用したことがあると回答した人に、生産性向上のために判子の慣習を無くした方が良いと思うかどうかを聞いたところ、74.7%が「無くした方が良い」と回答。一方で、過去1年の契約取引などで判子を使ったと回答した人に、自身の会社で判子(捺印)の慣習を撤廃することは容易と思うかを聞いたところ、50.1%が「撤廃は難しいと思う」と回答した。
判子撤廃へのハードルとして具体的な要因を聞いたところ、もっとも多かったのが「取引先の契約方法に従う必要がある(51.4%)」で、「法的に有効かどうか心配(30.7%)」、「セキュリティ上の不安がある(30.1%)」と続いた。また、そのほかの回答として「役所の書類には判子が必須」「印紙税の扱いが良くわからない」といった回答も見られた。
調査概要
- 調査内容:「スキルに関する調査結果」
- 調査方法:インターネット調査
- 実施対象:500人(従業員数300名以下の企業の経営者・役員)
- 調査期間:2020年5月22日~26日