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完成なきサブスクリプションサービス 顧客接点を持つセールスによるプロダクト開発とその手法

 注目を浴びるサブスクリプション(所有権を得るために購入する方式でなく、利用期間中に利用料を支払う方式のこと)ビジネス。ソフトウェア利用の「SaaS(Software as a Service)」もその一類型であるが、サブスクリプション化の勢いは自動車業界(MaaS)を始めとして、音楽、映画、飲食店にまで及んでいる。本連載ではサブスクリプションビジネスの第一人者を集め、さまざまな角度からその本質に迫りたいと考えている。[連載総合企画:弁護士ドットコム株式会社 取締役 クラウドサイン事業部長 橘大地]

営業の役割はもう「売ること」だけではなくなった

 「開発への要望?言い訳するな。少々不備があっても売ってくる。それが営業だ」

 営業活動に従事する者であれば一度はこういった声を聞いたことがあるのではないでしょうか。

 長い間営業は「すでに完成した製品を売ってくる部隊」として月間、年間の売上目標を追い続けてきました。前章でもあったように受注件数こそがすべてだったためです。この「立てた目標は必ず達成させる」という文化そのものは長い歴史を経て築いてきた営業という職種の財産であり非常に価値のあるものだと考えています。

 

 ただし、サブスクリプション製品の場合、そこにだけ目を向けてしまうことで将来の顧客を半永久的に失ってしまうリスクがあるのも事実です。いくらカスタマーサクセスという職種がそこに生まれようとも、本質的ではない営業による不満の解消は100%できるものではありません。とくにBtoBのサービスの場合、盲目的な営業活動によって一度失った信用を取り戻すことは非常に困難です。

 なぜ、そのようなことが起きてしまうのでしょうか。それは契約前後の適切な期待値のコントロールが機能していないためです。ただただ「売りたい」という気持ちが強まり、本質的な価値提供から早期契約締結に目的が変わることで、まだ実装されていない機能や実装予定の未定の機能も見込客の要望がすべて叶うかのようなトークを行ってしまい、結果として契約後に「聞いていたものと違う」となり、顧客の信用を失ってしまうのです。

 では、サブスクリプションの時代となったいま、そうならないためには営業および営業マネージャーはどういったマインドである必要があるのでしょうか。本当にその開発への要望は「言い訳」として切り捨てて良いものなのでしょうか。営業にしかできない重要な役割について、プロダクト開発の視点から述べていきます。

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