Rodinaは、メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)により休職を経験し、復職を果たした全国のビジネスパーソン100名を対象に、「復職後にうれしかった小さな配慮」に関する調査を実施した。
小さな言葉や態度が復職者を支える力に

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「復職後にうれしかった周囲のひとこと・行動(複数回答可)」を質問したところ、
- 特別扱いせず、自然に接してくれた(31%)
- 困っているときにさりげなく助けてくれた(31%)
- 『苦手なことは無理しなくて大丈夫』と声をかけてくれた(27%)
などの回答が寄せられた。派手ではないものの、目立たない温かいふるまいが復職者の安心感を育んでいることがうかがえる。
「気持ちがほぐれた」「理解されていると感じた」が主な理由

「『うれしかった』『安心できた』理由(複数回答可)」を質問したところ、
- 自分の状態を理解してもらえていると感じたから(32%)
- 過剰すぎず、ちょうどよい配慮だったから(27%)
- 緊張していた気持ちがほぐれたから(24%)
という回答が上位を占めた。無理に励ましたり過剰に気遣ったりするのではなく、復職者1人ひとりのペースに合わせた自然な対応が、安心感の醸成につながっていることが示唆される。こうした適切な距離感が、復職後の心理的な安定に重要な役割を果たしていると考えられる。
「うれしかった配慮」は、日常的に接する近しい人から

「『うれしかった言動』は誰から?(複数回答)」と、復職後に声をかけてくれた相手を失礼したところ、
- 同じ部署の同僚(44%)
- 直属の上司(36%)
という回答が多く、この結果から、復職者にとってもっとも心の支えとなるのは、制度や専門職の支援ではなく、日常的に顔を合わせる同僚や上司といった“近しい存在の自然な言動”であることがうかがえる。
ちょっとした声かけや、特別扱いしない態度など、“何気ないふるまい”が復職者の安心感につながると考えられる。
過剰な気遣いが負担になることも

一方で、「『こうしてほしくなかった』と感じた言動は?(複数回答)」と質問したところ、
- 必要以上に気を遣われた(24%)
- 過剰な配慮でかえって孤立した(18%)
- 毎回体調を細かく聞かれて負担だった(13%)
という回答が挙がった。良かれと思っての行動であっても、過剰な気遣いや過度な関心は、かえって復職者を「特別な存在」として扱うことになり、プレッシャーや孤立感につながる場合がある。一方で、「特にない」と回答した人も31%いた。すべての配慮が負担になるわけではないことが本調査から示されている。
復職経験者の実際の声
復職後に新たに気づいたことや感じたこと
- 普段あまり話したことがなかった方も心配してくれて、復帰したときにはわかりやすくさりげなく誘ってくれたり、自然な態度で接してくれたことがうれしかったです
- 復職した当日に、上司から優しい手紙をいただき、とても嬉しかったです
復職を経て変わった働き方や仕事感、たいせつにしたいこと
- 周りのみんなの気持ちを大切にする気持ちが生まれました
- メンタル疾患に限らず、人にはそれぞれ事情があるので、画一的な対応はせず、その人の状況に丁寧に向き合おうと思いました
- 自分の心のクセや限界を意識し、何事もなるべく目一杯にならないように、心に余裕がある状態をキープできるように心がけています
【調査概要】
調査名:復職者の「小さな配慮がうれしかった瞬間」に関する調査
実施時期:2025年7月
調査手法:インターネット調査
調査対象:メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)で休職後、復職した全国のビジネスパーソン
回答数:100名