不動産営業は「意思決定のプロフェッショナル」へ
営業の本質は、お客様へ最適な提案を届けることにあります。お客様としっかり向き合って対話しているときこそ、営業活動における“人の力”が最大限に発揮されるのです。
しかし現実には、多くの営業担当者が、資料作成や書類の管理、部署間の連携といった顧客との対話以外の業務に追われ、本来注力すべき時間が奪われているのが実情です。テクノロジーを活用して間接業務を効率化し、時間の使い方そのものを見直して、営業がより本質的な業務に集中できる環境をつくりださなければなりません。その融合が、これからの営業のあるべき姿であり、私たち自身の働き方をより豊かなものにし、お客様にもより深い価値を提供できる未来へとつながっていきます。
一方で、AIはその回答の結果に責任を負いません。それらの回答を取捨選択し、責任を負うのは人の役割です。だからこそ、私たちはプロとしてさらにレベルを上げていく必要があります。
私は、営業という職業は今後“士業”のような専門職へ進化していくと考えています。単なる販売担当ではなく、人生の意思決定に伴走するプロフェッショナル。顧客の課題を整理し、最善の選択肢を導き出すナビゲーターのような存在となっていくでしょう。

第1回では、不動産セールスの役割と付加価値について解説しました。第2回では「人とAIの共存」による不動産営業モデルの未来について解説します。