イグニション・ポイントは、電通と、全国330社を対象に「営業変革課題に関する実態調査」を実施した。また、調査結果を基に開発した営業変革の状況を可視化する診断ソリューション「Sales Transformation 診断」の提供を開始した。
離職率の低い営業部門の特徴は、変革ビジョンの浸透と経営コミットにあり

営業変革ビジョンが現場の営業社員に理解され浸透している企業では「直近1年の離職率が5%未満」が59.1%におよんでおり、「リーダークラスや一部メンバーに限定されている企業」28.2%や「現場の営業社員に理解浸透していない企業」33.3%に比べ、25ポイント以上高い。

営業変革に対して経営層から強固な後押しが得られている企業の営業部門の離職率は「直近1年の離職率が5%未満」が56.9%。これは「経営層のコミットメントがない企業の営業部門」(※)より、23ポイント以上高い。
※「経営層のコミットメントがない企業の営業部門」とは:「経営層からの後押しが得られているとは言いにくいが、部門長が目標を公言し、変革/高度化を強力に推進している」「活動に対してリーダーは関与しているが、目標の公言などはなく推進されている」「活動に対してリーダーが関与していないが、現場レベルでの活動は進んでいる」「活動に対してリーダーが関与しておらず、現場レベルでも活動は行われていない」企業

営業の将来構想が描かれている企業は95.1%。描いた構想が「経営層も含めて全社で合意されている」と回答した企業は50.3%だった。

策定された営業変革ビジョンが「現場営業社員に適切に理解され、ビジョンが浸透している」と回答した企業は34.8%。「リーダークラスなど一部メンバーにしか理解浸透していない」と回答した企業は51.5%だった。
自主提案型営業が実践できている営業部門の特徴は「中長期で目指す営業人財要件、スキルや人物像」

中長期で目指す営業人財要件、スキルや人物像の明文化について、「職位ごとの営業人財要件が定義されており、求められるスキルや人物像が明確になっている」企業は約4割の42.4%、残り6割弱の57.6%が明文化や共通認識化まで至っていない。

営業人財要件策定状況が、職位ごとの営業人財要件が定義されており、求められるスキルや人物像が明確になっている企業は、「ほぼ全てのメンバーが顧客の要望を受けるだけではない、自主提案型の活動ができている」が35%となり、他の企業より24.6ポイント以上高い。顧客の要望を受けるだけではない、自主提案型の活動の実装が進んでいる。

企業の約9割の88.8%が職位ごとの研修制度・教育ツールを導入している。しかし、約6割の58.8%(網点部分)でそれが利用されていない・充足していない、という結果に。


ありたいデータ利活用の姿が描かれており、すでにおおむね実現できている企業の70.6%と、AI活用による理想的な顧客分析・業務効率化がすでに実現できている企業の100%が、「顧客の要望を受けるだけではない、自主提案型の活動ができている」と回答した。ただしAI活用をしている企業は330社のうちわずか9社(n=9、2.7%)にすぎなかった。
【調査概要】
目的:企業の営業変革の進捗状況を調査するため
対象エリア:全国
対象者条件:500人規模以上の会社/部長クラス以上
サンプル数:330社
調査手法:インターネット調査
調査期間:2024年12月13~17日
調査機関:日経リサーチ
企業の営業変革状況を可視化する診断ソリューション「Sales Transformation 診断」について


Sales Transformation診断は6つの大項目(1.パーパス・文化浸透、2.組織変革・人財育成、3.ナレッジ共有・商品変革、4.顧客活動基盤・データ×テック、5.顧客戦略、6.顧客体験変革マネジメント)からなり、計32の診断項目に答えることで、企業の営業変革の状況を可視化する診断ソリューション。診断結果は、本調査で得たデータをもとに偏差値化し、企業活動のどこに課題があるのか、また、その課題へのアプローチとしてどのような手法が考えられるのかを分析する。
また、可視化した課題に対し、国内電通グループ各社やグループ外のテクノロジーパートナーと連携し、課題を解決するための取り組みを設計し、もっとも適したソリューションを提供する。