「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する識学は、「“リスキリング(学びなおし)”に関する調査」を実施した。
Q1.あなたは「リスキリング」をしたことがありますか。(自由回答、n=2235)
20代~50代の会社員(※従業員数10人以上の企業に勤めている)に、“リスキリング”の経験について、リスキリングとは「働く環境に合わせて必要とされるスキルを習得すること、“学びなおし”とも言われています」という説明を加えたうえで、その有無について質問したところ、リスキリングの経験が「ある」と回答したのは27.3%、「ない」は72.7%だった。
男女比では男性の経験率がやや高く、性年代別では男性20代がもっとも高く35.6%、次いで、男性30代が33.8%と、男性かつ比較的若い世代がリスキリングへの関心がより高いことがわかった。
Q2.あなたが「リスキリング」したものであてはまるものをお答えください。(複数回答、n=84)
次に前問でリスキリングの経験が「ある」と回答した人に、その習得したスキルについて質問したところ、もっとも多かったのは「マネジメントスキル」の38.1%で、「語学スキル」が27.4%、「マーケティングスキル」「プログラミングスキル」が22.6%と続いた。
Q3.「リスキリング」をしようと思ったきっかけをお答えください。(複数回答、n=84)
またそのきっかけについては、「キャリアアップのため」が53.6%ともっとも多く、前問の習得したスキルから鑑みても、プレイヤーからマネージャーになることをきっかけとしてリスキリングをしたという人が多かった。
Q4.「リスキリング」によって得たスキルは、職場で役立っていますか。
Q5.「リスキリング」をやってよかったと思いますか。(単数回答、n=84)
そのスキルが職場で役に立っているかを聞いたところ、86.9%の人が「役に立っている」(「非常に役立っている」26.2%と「やや役立っている」60.7%の合計)と回答し、リスキリングをやってよかったかについても、よかったと「思う」は83.3%だった。
【リスキリングの経験有無に関わらず全員が回答】Q6.あなたがお勤めの会社では、「リスキリング」の支援はありますか。(単数回答、n=300)
【リスキリングの「支援がある」と回答した人】Q7.「リスキリング」の費用についてあてはまるものをお答えください。(単数回答、n=64)
続いて、最近では政府によるリスキリング施策が始まったこともあり、企業側の支援は進んでいるのか質問してみたところ、リスキリングの「支援がある」と回答したのは21.3%だった。また「支援がある」と回答した人にその費用負担について質問してみると、「会社が一部負担してくれる」が57.8%、「会社が全額負担してくれる」が40.6%と、ほとんどの企業がリスキリング費用の負担はしてくれることがわかった。
【Q1でリスキリングの経験が「ない」と回答した人】Q8.あなたが「リスキリング」するとしたら、どのようなことを学びたいですか。(単数回答、n=216)
リスキリングの経験がないという人に、リスキリングをするとしたらどのようなことを学びたいかを質問したところ、学びたい項目としては「語学スキル」が20.8%とトップだったが、「あてはまるものはない」が56.9%と過半数を上回った。
Q9.あなたは「リスキリング」をしたいと思いますか。(単数回答、n=216)
次にリスキリングの経験がないという人へ、率直にリスキリングをしたいかどうか質問してみると、リスキリングをしたいと「思う」は24.5%、「思わない」は75.5%だった。
Q10.Q9で回答した理由についてお答えください。(自由回答、n=216)
リスキリングをしたいかどうかの理由については、次のようなものがあがった。
【リスキリングをしたいと「思う」理由】
- 生き残るには必要だと思うから(27歳男性・保険業)
- バリエーションが増えるし、仕事以外にも役立ちそう(36歳女性・電気 ガス 熱供給 水道業)
- 自分をしっかりと見つめ直して、価値のある自分になりたい(28歳女性・金融業)
- 人生いくつになっても勉強すれば、イキイキしてくるから(47歳女性・卸売り小売業)
【リスキリングをしたいと「思わない」理由】
- リスキリングに割く時間がないから(24歳男性・サービス業)
- 余裕がない(50歳女性・製造業)
- 働きながらだと大変そう(28歳男性・運送輸送業)
- 現在の仕事をきちんとこなすことが一番重要だから(29歳男性・製造業)
- 何をしたらいいか分からない(35歳男性・ソフトウェア・情報サービス業)
- 必用性を感じない(34歳男性・医療業)
- 今の業務に必要ない(49歳女性・製造業 )
【リスキリングの経験有無に関わらず全員が回答】Q11.今後のキャリアの中で、「リスキリング」はどの程度重要だと思いますか。(単数回答、n=300)
最後に、回答者全員にリスキリングが今後のキャリアにおいてどの程度重要なのかを質問したところ、「重要」は48.3%(「非常に重要」16.3%、「やや重要」32%の合計)と過半数を下回った。
Q12.Q11 のように回答した理由についてお答えください。(自由回答、n=300)
Q11のリスキリングの重要性について、その理由について質問してみると、次のような意見があがった。
【「重要だと思う」理由】
- 選択肢が広がり、競争力を維持することができるから(34歳男性・ソフトウェア情報サービス業)
- 時代に即したスキルを身につける必要があると思うから(42歳女性・製造業)
- 実際に営業方法が変わっていったり、今までと違う営業支援ツールなどを利用する機会も出てきたので、学び直しをした方がより効率的な業務ができると思うから。また、海外の顧客も増えているため、英語を主として言語なども学んでいく必要があると感じているから(32歳男性・不動産)
【「重要だと思わない」理由】
- キャリア志向ではないので(33歳男性・卸売り小売業)
- 今の会社ではそのような技術は必要とされていないので(49歳女性・製造業)
- スキルアップに繋がるイメージがわかない(34歳・医療業)
- 今の業務で満足しているから(26歳男性・サービス業)
- 現状維持で構わないから(49歳女性・保険業)
- 一般事務には関係ないので(50歳女性・その他)
【調査概要】
調査機関:識学
調査対象:20歳~59歳の会社員(従業員数10人以上の会社にお勤めの正社員)
有効回答数:スクリーニング調査2235サンプル/本調査300サンプル
調査期間:2024年10月17~18日
調査方法:インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しているため、数字の合計が100%とならない場合がある