インサイドセールスにおけるナーチャリングとは?
インサイドセールスは主に商談獲得を目的として見込み顧客へのアプローチを行いますが、商談に貴重な時間を割いてもらうためには当然需要と供給の一致が前提になります。そのため、すぐに商談につながらない場合も多くなるでしょう。その後も定期的にアプローチし、関係構築や情報提供を通じて商談獲得の可能性を高めていくことが必要であり、この動きを「ナーチャリング」と呼びます。
実際、「インサイドセールスに関して知りたいこと」を問うアンケートでは、「ナーチャリング」が多く挙げられます。またナーチャリングをテーマにしたセミナーは、ほかテーマのセミナーよりも多くの申し込みをいただきます。ナーチャリングに対する関心は高く、かつその関心がどんどん高まってきていると感じます。
なぜナーチャリングへの関心が高まっているのでしょうか。インサイドセールスに取り組む企業の皆さまとお話をすると、「ROI(投資対効果)意識の高まり」と「新規リードの枯渇」のふたつの理由がよく挙げられます。
「ROI」を意識した営業活動が求められている
投資を先行させて赤字でも高い売上成長率をつくることが重視された市場環境から、しっかりと利益を出しながら高い売上成長率を両立することが求められるようになり、ROIの高い経営を行うことが重要になりました。
この市場環境の変化を受けて営業においてもROIを意識した動きが強まっています。インサイドセールスにおいては手あたり次第にアプローチしていくのではなく、LTV(ライフ・タイム・バリュー)が大きく、受注率も高いターゲットに集中してアプローチすることが基本になっています。
アプローチ対象が絞られることになるため、限られたターゲット企業から商談機会を確実に獲得するための行動が求められます。あらゆる手段を駆使してまず接点をつくりますが、必ずしも接点を構築してすぐに商談の機会を得られるわけではありません。接点を活かして定期的にアプローチし、関係を深め、検討の意欲が高まった際に商談機会をいただけるように、まさにナーチャリングの動きをしていく必要があります。
マーケティング活動で「新規リード」を獲得できない背景
インサイドセールスではマーケティング活動によって得られた新規リードに対してアプローチをしていきます。
最近では、「過去のマーケティング投資により、すでに多くのリードが蓄積しており新規リードの獲得が難しくなっている」という企業が増えています。また、そもそもマーケティング投資を行っておらず新規リードをあまり獲得できないという企業も多いです。この状況において安定して商談を獲得するには、これまでに構築した貴重な接点から継続的に商談を創出していく動きが必要になります。
過去接点を持った見込み顧客から商談機会を獲得するためには、やはりナーチャリングの活動が求められます。潜在的なニーズを喚起するための情報提供などを通じて関係を深めていき、最適なタイミングで商談につなげていきます。適切にナーチャリング活動を行うことで新規リードが枯渇したとしても毎月安定的にストック型で商談創出ができるようになり、次第に新規リードからの商談創出よりも多くの割合を占めるようになっていきます。