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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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SalesZien Day 2025 Winter

2025年1月28日(火)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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スモールサクセスを積み重ねよ! 富士通の「デジタルセールス」事例

インサイドセールス採用のポイントは? 営業と同じ目線で「新規開拓」に挑む富士通のチャレンジ


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 深く見込み顧客とつながるための手法として注目を集める「インサイドセールス」。その後の商談化・契約の可能性を求め、ウェブサイトや問い合わせ経由で自社に関心を持っている見込み顧客とつながる手段として導入を進めるIT企業も増加しています。一方、日本の伝統的企業と言える富士通では、関心を持つ前の見込み顧客へ架電を行う「アウトバウンドコール」を中心としたインサイドセールスチームを組織化しています。同社が、「デジタルセールス」と呼ぶその組織はどのようにして立ち上がり、壁を乗り越え、成果を出してきたのでしょうか。最終回となる今回は組織づくりと案件創出における現在のチャレンジを共有します。

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組織づくりの中で言語化できた「コアコンピテンシー」

 ここまで富士通が2020年から挑んできたインサイドセールス組織(デジタルセールス)立ち上げの軌跡について共有してきました。最終回となる今回はまとめとして、組織づくりのコツとこれからのチャレンジについて共有します。

 社内外で40名以上の新規採用を行ってきた結果、「カルチャーフィット」を最重視すべきだと気づかされました。「早く成果を出すメンバーを採用したい」という思いがある一方、ビジョンに共感してくれるメンバーでなければ、これからの組織づくりを担ってもらえません。

 当初から、「Quick Win」のために外部ベンダーとの協業も進めてきましたが、コールメンバーを社員化して良かったポイントもたくさんあります。社内のシステムに無理なくアクセスでき、データの一元化が容易なことはもちろん、初回訪問への同席などを行う際も営業とのワンチーム感がよりつくりやすいと感じています。会社状況や製品情報の機微を掴みやすいのも、社員の強みだと感じます。

 また、採用活動の中で溜まってきた知見を基に、自分たちの組織にフィットする人材を判断するための11のコアコンピテンシーや質問リストを制作しています。中でも大切にしているのは、「自律的」に動ける人。自分に求められているものは何か、何がいま組織に必要か、それを自分で考えられる人は、活躍しやすいチームだと思っています。

現場のデジタルセールスに求められる11のコンピテンシー

 加えてコーチャブルであることも大切です。富士通内においてまだ型のない仕事だからこそ、会社から取り立ててトレーニングコンテンツなどを提供されるわけでもありません。よって他者の意見をきちんと聞き入れることが自己成長につながります。そして、指導を行うマネージャー側においても13のマネジメントコンピテンシーという指標を用意しました。常に前向きに物事を受け入れるように、「可能思考と楽観主義で臨む」「自責思考で向き合う」などの項目があるのですが、デジタルセールスのマネジメントに求められるものは非常にハイレベルです。

マネージャーに求められる13のコンピテンシー

 ファーストラインのマネージャーは、自分の配下のメンバーをどう育てるかに注力しがちですが、組織全体で目指していることにも目を向ける必要があります。とくに立ち上げ当初の少ないメンバーには「どうにかこの組織で成果を出すぞ」という思いがありましたが、100名を超える組織に成長するなかで、そのあたりが少し薄まりやすくなっているのも事実です。

 組織として目指す成果から自分たちの行動を逆算できる組織であり続けるためには、イネーブルメントチームを含めたほかのチームのマネージャーと連携することが欠かせません。ファーストラインのマネージャー起点で、縦・横・斜めのコミュニケーションを行うことも始めています。

 メンバー、組織、成果、すべてに向き合うのはたいへんですが、相互理解が進まなければ、もっと大きくなっていくことはできません。たとえば、組織が大きくなるにつれ「虎の巻」をつくる必要があります。一方で、受け取る側には「型にはめられている」「自由度が低くなる」と思う人も出てくる。決してそういうわけではなく、同じ方向を向くために最低限守るべきベースラインですから、その時々に最適化しながら理解してもらわなければなりません。なぜなら組織はつくって終わりではなく、発展・継続しなければならないからです。

次のページ
デジタルセールスはどんな存在になってきたのか

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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