営業パーソンにとって服装が重要な理由
営業パーソンは、相手に与える見た目の印象が大きく影響するため、服装が需要となってくる。会社の顔として商品やサービスを販売する営業にとって、これを無視することはできないといっていい。
第一印象で大切なポイントは、清潔感と信頼感だ。女性の場合、女性らしさを適度に取り入れると上品さが出て好印象につながる。なお、適切な服装は、業種や顧客によって変わるだけでなく、地域性によっても異なるという点も考慮しなければならないことを覚えておこう。
【アイテム別】女性営業が好印象を与える服装のルール
では早速、女性の営業パーソンが好印象を与えるための服装のルールを、アイテム別に見ていこう。カラーやデザイン、素材、機能性を基本とし、アイテムごとのルールやおすすめも紹介する。
スーツ編
営業の必須アイテムといえば、スーツだ。女性の場合、スカートでもパンツスタイルでも問題ないが、自分の体型に合ったものを選ぶのが基本。スーツのシワやヨレが目立つと清潔感や信頼感が損なわれるので、手入れが簡単なものを選ぶ。全体的に落ち着いた印象になるように心がけよう。
- カラー:ネイビーやブラウン、ベージュ、ブラック、グレー(チャコール、ライト)など着回しがきくカラー
- デザイン:飽きのこないシンプルなデザインのもの、ノーカラーもOK、柄は気にならないストライプやチェック
- 素材:季節に合った素材(夏は涼感・冬は防寒)、動きやすいストレッチ素材、自宅で洗えるもの(クリーニングの手間や費用不要)
- 機能性:ペンが入る胸ポケット、スマホや名刺入れなどが入る内外ポケット、ボトムスにもポケット、防シワ加工など
ジャケットやスカートの丈にも注意しよう。ジャケット丈が短くなると、ポケットのサイズも小さくなることが多い。スカート丈は、膝下くらいのものを選ぶと座ったときの心配がない。
インナー編
ベーシックなスーツに変化や彩りを加えるのが、ワイシャツやブラウスなどのインナーだ。スーツよりも流行を反映しやすいアイテムといえる。初訪問では無地を選ぶほうが無難。
- カラー:基本アイテムは白、差し色として目立ち過ぎないカラーバリエーションならOK
- デザイン:できるだけシンプルなもの、気にならない程度の模様、大きなリボンやたくさんのフリルなど目立つ装飾が施されているものは避ける、胸元が大きく開いているものはNG
- 素材:自宅で洗えるもの、綿は丈夫で洗濯に強い、化繊は軽くてシワになりにくいものの洗濯時の摩擦や乾燥時の熱に弱いものがある
- 機能性:ノーアイロン(形態安定シャツまたは形状記憶シャツ)
シューズ編
足元まで行き届いている身だしなみは、清潔感や信頼感を高めることにつながる。踵まであるパンプスが基本だ。なお、素足はNGでストッキングの着用は必須。冬のパンツスタイルなら、ローファーやブーツも気にならない。
- カラー:ブラック、ブラウン、ベージュなどのベーシックなカラー
- デザイン:ローヒール(3~5㎝程度)、ローファーやショートブーツ(冬)、サンダルやミュールは避ける
- 素材:通気性が良く軽くて丈夫なもの
- 機能性:クッション性や撥水性、防汚性の高いもの
バッグ・アクセサリー編
バッグとアクセサリーについても見ていこう。まずはバッグから。コーディネート全体を引き立てるような落ち着いたものを選びたい。
- カラー:ブラック、ブラウン、ベージュ、グレーなどの落ち着いたカラー
- デザイン:A4横が入るサイズ、マチが広めで自立するほうが置くときに便利、持ち手が長めで肩掛けもできるもの
- 素材:軽くて丈夫な素材
- 機能性:仕切りやポケットが多く機能性の高いもの、開口部に十分な広さがあり中のものを取り出しやすい、ファスナーやボタンで開口部を閉じられる、PCやタブレットを持ち歩く場合は衝撃吸収性があるもの
アクセサリーについても、同様にシンプルで派手過ぎないものを選ぶようにしよう。華奢または繊細なデザインのもののほうが女性らしさを演出しやすい。
ヘアスタイル編
顔の印象を大きく変えるヘアスタイルにも重点を置きたいところだ。基本的には、顔周りがすっきりと見えるように心がけよう。気をつけたいのはロングの場合だ。ひとつにまとめたり、ハーフアップにしたりするなどして、商談中に髪を気にしなくていいようにしておこう。
シャンプーやアレンジに使う整髪料の香りには、注意が必要だ。香りの好みは人それぞれのため、控えめが基本。香水など、フレグランスはTPOに合わせて適切なものを。おしゃれとスメルハラスメントの境界線は紙一重だ。
【シーン別】女性営業の着こなし術
外回りやお客様訪問など、営業パーソンは服装で気を遣う場面が多い。ここでは、よくあるシーンを3つ取り上げ、着こなし術を紹介する。
たくさん歩く外回り
とにかく歩く外回りでは、動きやすさ優先のパンツスタイルがおすすめだ。スカートなら、裾回りが広めで歩きやすいものにしよう。立ったり座ったりすることも多いなら、シワになりにくいものを選ぶと簡単な手入れで済む。
スーツもさることながら、大事にしたいのは足元だ。歩きやすさと足への負担を考慮して、ローヒールを選ぼう。外反母趾や巻き爪など、足のトラブルを避けるためにも靴選びは重要だ。
お客様を訪問する
お客様を訪問する場合の服装は、スーツが基本。スカートかパンツかの選択で迷った場合は、訪問先に合わせるのがおすすめだ。
業界や企業によっては、オフィスカジュアルが通常だったり、推奨されたりしている場合もある。ワンピースにジャケットでもOKという場合もあるだろう。病院や学校などはフォーマル度が高めで、アパレルやITなどではカジュアル度が高めというのが一般的だが、大切なのはTPOに合わせた服装選びだ。
夏の暑さ対策
とにかく汗をかくので、スーツなら裏地がなく、シワやヨレ、洗濯に強いものが欠かせない。スカートやパンツなど、動きの多いボトムスが先に傷んでくることが多いため、夏用のお気に入りのスーツはボトムスだけもう1点購入しておくといい。
インナーには、速乾性の素材や接触冷感、涼感タイプのものが不可欠だ。消臭タイプのものもあるので、気になる場合は購入しておくことをおすすめする。ノーアイロンのタイプのシャツやブラウスなら洗濯後の手入れがあまりかからない。汗拭き用のハンカチやミニタオルも、数を揃えておくと便利だ。
着回しに必要なアイテムと数量
- スーツ:春夏3~5着、秋冬3~5着
- インナー:春夏5~6着、秋冬5~6着
- シューズ:春夏2~3足、秋冬2~3足
- バッグ:1個