可愛がられる鍵は「類似性」にあり
時代の流れとともに、仕事に対する価値観にも変化が生まれ「誰と働くか」が重要視されるようになってきました。営業活動においても、お客様から「一緒に働きたい」と選ばれる担当者になる必要があります。今回は、前回記事「元お笑い芸人直伝! 社内外で可愛がられる“最強の若手”になるための基礎知識」でご紹介した「4つの対人魅力要因」のうちのひとつ「類似性」について解説していきます。
相手から好かれ、可愛がられるために必要な要素が類似性です。価値観が似ている場合や経験をともにしている場合、人は相手に対して好意を抱きます。具体的には「趣味が一緒」「出身大学が同じ」「何度も会話をしたことがある」「何度も一緒に出かけたことがある」などのケースを指します。
当然ですが、こちらから自己開示をしなければ相手との共通点を見出すことは絶対にできません。自ら相手に歩み寄り、関係を構築する“可愛がられる人材”は、どのようにして共通点を発見しているのでしょうか? お笑い芸人から社長になった私が、自身の体験を交えながらノウハウを解説します。
自己開示をして嫌悪感を抱かれる営業担当者
最初にお伝えしたいのは「自己開示にはレベルが存在している」ということです。自己開示は類似性を見出し、信頼を獲得するための有効な手段ですが、話す内容によっては逆に信頼を失ったり、嫌われてしまったりする可能性があります。次の図をご覧ください。
田中さんの自己紹介に対して、鈴木さんの自己紹介は不信感を与えてしまいます。心理的距離がまったく縮まっていない状態でプライベートの話を自己開示しても、逆効果となってしまうのです。ただの図にも関わらず、田中さんと鈴木さんの間に流れる信じられないほど変な空気が感じとれます。地獄ですね。
余談ですが、自己開示レベルが合っていない例として、私自身がよく直面するパターンをご紹介します。私が元お笑い芸人ということもあり、自己紹介の時点で初対面のお客様側から急にボケてくることがあるのです。
お客様側が自己開示レベルを急激に上げてくれるため、私としては信頼を獲得しやすい状況と言えるでしょう。しかしながら相手がどのような方かもわからないため、ツッコんで良いのか笑っても大丈夫なのか図りかねて、とりあえずニコニコしながら毎回手に汗を握っています。
では、具体的にどのような話題で自己開示すると心理的距離が近づき、可愛がられ選ばれる営業になれるのでしょうか。話題には、相手との心理的距離に合わせた4つのパターンが存在しています。