上司と月6時間コミュニケーションをとる部下は成長している?
人事コンサルタントという職業柄、数多くの企業で「人」に関する課題をうかがいます。中でも最近よく聞く悩みは「マネージャー側の心理的安全性の低下」です。
組織において心理的安全性という言葉は部下のために使われるシーンが多い一方、上司の心理的安全性についてはあまり語られていません。しかし、私がお会いするマネージャーの中には、部下に対して「話しかけづらい」「指摘しづらい」「上司ガチャに外れたと思われる」などの抵抗感を抱く方がいるのです。上司の心理的安全性が低い状況は、若手営業にとっても好ましいとは言えません。なぜなら、指摘がもらえない環境下で人の成長は明らかに鈍化するからです。
ラーニングエージェンシーが管理職を対象に実施した調査の結果によると「部下の成長度合い」と「部下とのコミュニケーション時間」に相関があることがわかりました。「部下が非常に成長している」と回答した管理職は、部下と月間6時間以上コミュニケーションをとっていたのです。つまり、若手営業が成長するためには、マネージャーと密にコミュニケーションをとりながら指摘を受ける必要があると言えます。
ただし、マネージャーも人間です。可愛げがないメンバーと月に6時間もコミュニケーションをとることは、決してかんたんではありません。そこで効果を発揮するのが、部下の“可愛がられる力”です。
可愛がってくれる上司・先輩と関係を維持するためのスキル
今回のテーマは「スピーディーかつコスパ高く成長していくための、上司・先輩との接し方」です。小難しい話は一切ありません。肩の力を抜いて最後までお読みください。第1回から過去の記事を読んでいただくと、本記事の意図をより深く理解できると思います。
コミュニケーションスキルと聞くと、初対面の相手と関係を構築する際に必要な要素だと思われがちですが、本当に重要なのは仲良くなった相手と関係を維持するためのコミュニケーションスキルです。関係を維持することができなければ、せっかく可愛がってくれたマネージャーとの交流もいつの間にか希薄になってしまいます。皆さんにも心当たりがあるのではないでしょうか。
ここからは、若手お笑い芸人が先輩から可愛がられるために使っているふたつのスキルをビジネスパーソン向けにアレンジしてご紹介します。このふたつをマスターすれば、マネージャーとの良好な関係を維持することができるでしょう。