820万拠点を網羅する企業データベース
全国の事業拠点を含む法人企業データベース「LBC」を搭載した顧客データ統合ソリューション「ユーソナー(uSonar)」。提供元であるユーソナーは、2022年7月にランドスケイプより社名を変更し、サービス拡大へのさらなる意欲を示す。同社の執行役員を務める鈴木彩乃氏は「法人企業データベースを独自に構築し、BtoBビジネスのサポートをしてきた当社の強みとコアサービスは大きく変わらない」と語る。
LBCでは、上場企業はもとより中小零細企業や非民間系の企業情報まで網羅。820万拠点もの登録数を誇り、拠点単位・親子関係など、資本の紐付け階層化も実現している。また蓄積した過去ナレッジにより、たとえ古い社名や移転前のデータであっても最新データへの自動置き換えが可能。業種業界を問わず、リーディングカンパニーを中心に年間約800社が利用している。
鈴木氏は「LBCは『攻め=営業活動』と『守り=顧客管理』の両軸で、お客様の成果最大化に貢献する」と述べ、その価値を強調する。
リスト作成の効率化から分析精度の向上まで
“攻め”の効果としては、ターゲットリストの効率的な作成が挙げられる。820万拠点のデータの中から、エリアや業種・企業規模はもちろん、その会社が注力している領域や「自社に関心があるか」など、動きのある属性でセグメントをかけることが可能。これにより「自社の事業に興味を持っている可能性の高い新規開拓用の営業リスト」を抽出できるというわけだ。
“守り”の効果は顧客データの整備にある。鈴木氏によると「お客様の顧客データを分析させていただくと、平均して全体の約40%が重複している」という。重複の原因は「略称と正式名称」「本社と支社」「旧社名と現社名」などの混在だ。さらに、倒産・合併した企業のデータも3~5%近く積み重なっている。LBCでは、データのメンテナンスを自動的に実行。自社の顧客データとLBCをマッチングすると、表記違いや旧社名を正式名称に修正できるほか、本社と支社はその関係を付記できる。
鈴木氏は、LBCとSFA/CRMの連携がもたらす価値にも言及。一般的にSFA/CRMには、顧客の企業名や所在地、電話番号、FAX番号、ウェブサイトのURL、担当者情報が登録されている。このSFA/CRMとLBCをAPIで連携させると、業種や企業規模、グループ会社などの情報をマージでき「分析精度の向上につながる」と鈴木氏。たとえば業種別で顧客データを分析する際、従来の取引先に「業種」がセットされていなければ、抽出データの大半が「不明」と表示される。LBCとの連携で情報が補足されると、実際に売れている業種や勢いのある業界をリアルタイムに確認できるというのだ。
業種だけでなく「従業員数」や「売上高」などの項目でも分析・把握が可能。所属グループを意味する「企業系列」は、LBCならではの項目だ。企業系列の付与により、グループ単位で取引実績を把握できるため「分析に新たな気づきを提供できる」と鈴木氏は語る。
注力すべき業種を可視化「Sales Cloud」との連携デモ
LBCを搭載したuSonarとSFA/CRMを連携すると、具体的にどのような効果が得られるのか。HR Tech企業の営業チームのリーダーを想定し、Salesforceが提供する「Sales Cloud」を使ったデモンストレーションを行った。
Sales Cloudのダッシュボードには、直近の受注実績やパイプラインが業界ごとに表示されている。目標受注額への到達には効率的な営業活動が求められるため、直近で受注した企業の旬な事例を横展開することに。
受注実績を業種別に見ると「卸売業」「小売業」がもっとも多く、次いで「製造業」が多いことがわかる。パイプラインを見ても卸売業と小売業が多いため、このセグメントでは一刻も早いクロージングが必要だ。一方の製造業は、パイプラインが不足していることから新規案件の創出が求められる。
このダッシュボードは、Sales CloudとuSonarの連携によって表現できる。取引先オブジェクトのデータに企業の属性情報が自動で付与されるため、業種の情報をメンバーが手入力する必要もない。
「ストーリー」からホワイトスペースを見つける
続いて鈴木氏は、製造業の新規案件を増やす過程を解説するため、リードジェネレーション強化ツール「sideSonar」の画面を使ったデモンストレーションを実施。「MIXER」という機能を用い、業種やエリアなどの基本的な情報に加え「ストーリー」というユニークかつ定性的な切り口で対象企業を抽出する。
今回は、実績のあるメーカーの中でも「化学部門」に対象を絞り「東京」のテリトリーを掛け合わせてリストを作成。すると約6,000社が抽出されるため、優先順位をつける目的で「求人広告を出している」というストーリーで絞り込む。なお、ストーリーは「工場を保有している」「DXに積極的に取り組んでいる」などのセグメントとしても活用できるという。
Sales Cloud上で取引実績や接点の有無を確認し、すでにアプローチ済みの企業を除外すると、約200社の完全新規かつホワイトスペースの企業群が表出。sideSonarの右上にある「SFA登録」ボタンを押して、200社の一覧をSales Cloudに連携する作業はワンクリックで完了する。
Sales Cloudのダッシュボードに戻って「化学部門」のセグメントを見ると、全体の55%についてはまだ接点がないことがわかる。このセグメントに対しては地域のアポイントメントを獲得して接点をつくり、案件の創出へとつなげていく流れだ。
最後に鈴木氏は「営業戦略・施策成果の最大化のためには、Sales Techの導入だけでなく企業データとの組み合わせが不可欠。データ整備という“守り”の施策は仕組み化による継続が、“攻め”の施策においては確度の高いターゲティングがカギとなる」と語り、まとめの言葉とした。
法人企業データの活用事例、続々と公開中!
ユーソナーの法人企業データと、SalesforceをはじめとしたSFA/CRMを組み合わせ、営業の成果向上や業務効率化・生産性の向上などを実現された企業様のインタビュー事例を公開中です。本記事をご覧になって興味を持たれた方は、ぜひ事例ページもあわせてご覧ください。