デジタル&データの活用による顧客接点の創出
りそなグループは「お客さまの喜びがりそなの喜び」を基本姿勢とし、中期経営計画では「深掘」「挑戦」「基盤の再構築」にチャレンジしている。そのドライバーのひとつが「デジタル&データ」だ。対面によるフィジカルチャネルと、アプリを中心としたデジタルチャネルを「デジタル&データ」の活用によって有機的に結合させ、新たな顧客接点の創出を目指す。顧客と直に接することが少ないデジタルチャネルにおいては、データ分析を通じて顧客理解を深め、商品開発へ積極的に活用している。
デジタルバンキング戦略の中核チャネルとして位置づけられている「りそなグループアプリ」は、2018年のローンチ後、4年間で500万ダウンロードを突破。対面窓口やインターネットバンキング、ATMを超え、顧客接点という面でいちばんのチャネルとなった。
本アプリにより、顧客によるデジタルチャネルの利用が急速に進んだ。たとえば積立定期預金・外貨預金では、80%以上の顧客がりそなグループアプリを利用して口座を開設している。このような利用率の急激な上昇について、那須氏は、預金や口座開設などすべての銀行業務を制約なく実行できる“フルバンキング”を目指してアプリをつくったことが要因ではないかと語る。店頭でできる体験と同じことをアプリでも実現できるよう改善を重ねるため、りそなグループアプリは、銀行のアプリ開発では珍しくアジャイル開発を導入。ローンチから4年間でアップデート回数は150回を超えた。
さらに、りそなグループアプリの伸長により、従来とは桁違いの数のデータが蓄積されるようになった。これらのデータを分析することで顧客理解を深め、商品開発に活かすのが、りそなのデータマーケティングの理念だ。