若手営業担当者に求められる姿勢
リモートワークの推奨により、社内では対面の関わりが大幅に減少。若手の育成や関係構築に悩む管理職・リーダー層は少なくありません。また営業シーンにおいても、お客様との接触頻度が落ち雑談ができない今、以前よりも「ザイオンス効果(※)」の恩恵が受けにくくなっているのではないでしょうか。
※1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果。繰り返し接触することによって、好感度や関心が高まることを指す
人との関わりが希薄になりがちな環境下で、若手営業担当者にはどのような姿勢が求められるのでしょうか。社内のみならず社外においても「自ら考え、周囲と関係を構築する」という意識を持つ──そんな姿勢が上長のマネジメントコストを軽減し、新規・リピート受注の取りこぼしを防ぐことにつながると私は考えます。
そんな「自ら考え、周囲と関係を構築する」姿勢を、当社では「可愛がられる力」と呼んでいます。私は可愛がられる力の重要性を、身をもって痛感しました。なぜなら、私の経歴が元お笑い芸人だからです。
お笑いの世界で「可愛がられる力」の効果は絶大
お笑い芸人の世界では、先輩に可愛がられることで「ご飯をご馳走になる」「面白さが向上する」さらには「仕事が増える」など、非常に多くのメリットを受け取ることができます。しかしながら、先輩芸人には後輩を可愛がる“義務”はありません。自分たちが「可愛がりたい」と思える後輩しか可愛がることはないのです。そのため、後輩たちはある意味では人生をかけて先輩に「可愛がられよう」と試行錯誤しながら働きかけます。
そんなお笑いの世界で自ら考え、周囲と関係を構築する同志たちのたくましい姿をたくさん見てきました。その中から売れていった人がいたからこそ、可愛がられる力が重要だと確信しているのです。
お笑いの世界をサバイブするために可愛がられる力が不可欠なことは先に述べたとおりです。では、ビジネスの世界ではどうでしょうか。
マイナビが行った調査によると「職場に『可愛がりたい』と思う後輩社員はいますか?」という質問に対し「はい」と答えた人はたったの30.6%だったと言います(出典:マイナビニュース「かわいがりたい! と思われる後輩社員の特徴」)。つまり「可愛がられる人」というポジションは職場においてブルーオーシャンなのです。いち早く「可愛がられる人」になってしまえば、先輩社員の「誰かを可愛がりたい」という欲求を独占することも可能でしょう。