営業の引き継ぎ・挨拶の重要性とは
営業担当の引き継ぎがうまくいかないと、顧客との信頼関係を築くことができなくなり、失注・解約などのトラブルを招くことになります。担当変更の挨拶は、今後の営業活動を左右する非常に重要なポイントです。営業担当変更の引き継ぎの挨拶は、どんな重要性を含んでいるのか、確認をしてみましょう。
属人化した情報と進捗管理を見える化する
営業担当が長く続いていた場合、担当者独自のやり方や顧客管理方法が確立してしまい、属人化する傾向があります。属人化した情報や進捗・顧客管理は非常に見えにくく、特に新人が担当する場合は、引き継ぎがうまくいかないことが多いものです。営業担当の引き継ぎの際に行う挨拶には、属人化した顧客との関係や情報の管理などを見える化する役割があります。
前任者が抱えていた課題を解決する
多くの顧客を担当していた営業担当者だからこそ、課題を抱えているケースも少なくありません。中でも見込みの段階からなかなかクロージングに進めなかったケースや、先方の担当者と相性が良くなかったというケースでは、後任者が課題を解決できる可能性があります。
担当変更がきっかけとなりフェーズが進む可能性があるため、今後の信頼関係の基礎作りのためにも、引き継ぎの挨拶は必ず行うべきものなのです。
世代間のギャップを埋める
長く勤務していた営業担当者から新人の担当者へ変更する場合などは、引き継ぎの挨拶が世代間のギャップを埋める役割を果たします。
顧客にはさまざまな年代の人がいます。特に年齢を重ねた顧客は、長く付き合いのあった営業担当者との信頼関係を重視する傾向があり、新人の担当者との信頼関係を築くのに時間がかかってしまう可能性も否めません。「信頼していた担当者から紹介を受けて新しく担当する」という意味合いを持つ挨拶は、世代間のギャップを埋めるためにも、必要なプロセスになるのです。
営業担当引き継ぎの挨拶・成功するための4つのポイント
営業担当引き継ぎの挨拶は、単なる顔合わせではありません。今後の営業活動を左右する非常に重要な役割を持ちます。担当引き継ぎの挨拶を成功に導くためのポイントを4つご紹介しましょう。
①事前にスケジュールの調整を行う
引き継ぎの挨拶を行う場合は、事前にスケジュールの調整を行ってください。
前任者のスケジュールと顧客のスケジュールはもちろん、契約更新などのタイミングや、契約内容のボリュームなどを考慮する必要があります。前任者があらかじめ優先順位を決め、アポイント取得をすることがおすすめです。後任者は、スケジュールの調整だけではなく、顧客情報の確認なども済ませておきましょう。
②前任者・後任者が一緒に訪問する
引き継ぎの挨拶は、前任者と後任者が一緒に訪問することが最大のポイントです。同行訪問をすることで、前任者が顧客と後任者の緩衝材になります。後任者が一人で担当変更の挨拶へ行くよりも、今後の営業活動をスムーズに運ぶことが可能になるので、できる限り同行して挨拶を行うことが大切です。
③既存顧客<見込み客の情報共有を丁寧に行う
引き継ぎは、既存顧客よりも見込み客の情報提供を丁寧に行いましょう。見込み客との商談は、担当者しか知り得ない熱量があります。
- 商品・サービスに興味を持ったきっかけ
- 商談の回数・クロージングの有無
- どんな課題を解決したいのか
など、詳しい情報を必ず共有してください。また契約に至っていない原因は何なのか、課題として後任者に伝えることも大切です。
④ツールを利用する
営業活動を支援するツールを利用することで、引き継ぎをスムーズにすることができます。SFA(営業支援システム)には、引き継ぎに欠かせない以下のような機能があります。
- 顧客情報の管理
- 案件の進捗状況の管理
- 商談の管理
属人化していた情報管理が、ツールを利用することで共有が可能になり、引き継ぎの際にも非常に役立ちます。無料で利用できるツールもあるので、活用を検討してみましょう。
営業の引き継ぎの挨拶・種類別のコツ
営業の引き継ぎの挨拶には、直接訪問をする以外にも、電話やメールなどの手段があります。多くの顧客を担当していた場合は、すべての顧客に訪問での挨拶を行うことはできません。後任者がスムーズに営業活動ができるようにするためには、それぞれの挨拶方法でのコツを知っておくことが大切です。訪問・電話・メールでの引き継ぎ挨拶のコツをご紹介します。
訪問編
訪問での挨拶は、担当者引き継ぎの際の基本です。特に前任者が退職する場合は、できる限り前任者・後任者双方で訪問での挨拶を行いましょう。前任者はこれまでの感謝を対面で伝えることができますし、後任者は顔合わせだけではなく、前任者と顧客の関係性などを感じることができるからです。スケジュールの調整を行い、時間の許す限り同行で訪問をすることがポイントといえるでしょう。
電話編
時間や距離の関係で、電話での挨拶を余儀なくされた場合は、電話での挨拶となった非礼を詫びることが大切です。 その際には
- 異動日
- 異動先
- 後任担当者
は必ず伝えるようにしましょう。特に、先方が気にしているのは、今後のことです。後任担当者には改めて連絡をさせることや、後任担当者の人物像を併せて伝えることで、不信感を与えないようにします。コンタクトが取れなかった場合は、何度か時間帯を変えて連絡し、できる限り直接話ができるように心がけましょう。
メール編
担当顧客が多い場合は、メールで挨拶をしなければいけないケースも出てきます。中には先方のスケジュールが調整できず、訪問や電話でコンタクトが取れないという可能性もあるでしょう。
メールで挨拶をする際の流れとしては
- 一度は電話でコンタクトを取る
- 前任者から担当変更挨拶のメールを送る
- 後任者が着任の挨拶メールを送る
となります。前任者からのメールには、下記の内容を盛り込みます。
- 異動理由(人事異動・退職など)
- 異動日
- 後任担当者
- 今までのお礼・感謝の気持ち
メールでの挨拶は、異動・後任者が決まったタイミングで、早めに送ることがポイントです。「後任担当者から改めてメールをさせる」というネクストアクションを添えると、引き継ぎがさらにスムーズになります。
営業の引き継ぎの挨拶は成功と失敗の分岐点になる
営業の引き継ぎの挨拶は、今後の営業活動を大きく左右します。担当変更を行う場合は、後任担当者が困らないような引き継ぎを行わなくてはいけません。特に前任者が退職をする場合には、より丁寧な引き継ぎを心がけましょう。
営業支援ツールなどを導入し、会社として情報の共有を行い、属人化させないことも大切です。引き継ぎがうまくいかず、会社の売り上げ減少や、顧客離れなどを起こすことだけは避けなくてはいけません。訪問・電話・メール、どの挨拶方法でも伝えるべきことを伝え、後任担当者が活動しやすい土壌を作ることが最大のポイントといえるでしょう。