知っているけどやっていないの典型“やることリスト”
先日、研修でお世話になっている会社の部長から「このご時世なのに、順調に結果が伸びている」という話を聞いた。その理由を聞くと「菊原先生が紹介してくれたツールを使っただけですよ」という。そのツールとは、ズバリ“やることリスト”のこと。その存在は誰でも知っているが、実際に活用している人は少ない。やることリストは“知っているけどやっていないこと”の典型だともいえる。
私は営業コンサルタントとして何千人もの営業スタッフと出会ってきた。結果を出す人とそうでない人の差は実力や努力の差ではなく、仕事を効率良くこなす方法を知っているか知らないかの差だと考えている。仕事を効率良くこなすために、やることリストは非常に有効的な手段。結果を出している人はスタイルは違うにしろ、必ずやることリストを活用している。そして無駄な時間を極限まで減らし、仕事をサクサクとこなしているのだ。
営業スタッフ時代、ケアレスミス一発で信頼が吹き飛んでしまうという経験をした。お客様からの連絡をメモせず忘れて大問題へと発展させてしまった。クレームになればその処理に何倍もの時間と労力をつぎ込まなくてはならなくなる。営業スタッフとしてものすごい大きなダメージなのだ。
調子がちょっと良くなったときこそ、必ず同じような間違いを犯す。そのたびに「あぁ、なんであんなミスをしてしまったのか……」と頭を抱えて後悔したものだ。やることリストを活用し、つまらないミスが減れば足かせとなる厄介なクレームから逃れられる。それだけでも仕事はとてつもなく効率的になる。
またやることリストの使い方をマスターすれば、「一日中動き回ったが、成果はほとんど得られなかった」と空しい思いをしなくて済む。どんなに能力がある人でもリスト化せず、記憶だけに頼って仕事をしていれば、空回りもするしミスも犯す。これではせっかくの能力も発揮できずに終わる。
私はさんざん苦渋を味わったあげく、やっとのことでやることリストを活用するようになった。そこから受けた恩恵は計り知れない。住宅営業のトップ営業スタッフだったころ、仕事量が以前の4倍に跳ね上がったのにも関わらず、 ほとんどミスなく現場をうまく回していた。しかも余裕で仕事を終えて毎日定時で帰っていた。私の能力が上がったから、と言いたいところだが、これはやることリストの力である。もちろん今の仕事になってからもフル活用している。
やることリストはもっともかんたんに仕事を効率化し、ダイレクトに時間短縮につながる。しかも導入コストもかからず、今すぐ運用可能だ。これを使わない手はない。では、具体的な方法について説明をする。