組織改革にデータが必要な本当の理由
営業がとっつきやすいUI・UXにこだわり
――そもそも、営業改革になぜデータが必要なのでしょうか。
ふたつあります。ひとつは、人を動かす納得感。もうひとつは、データを活用することで取り組みの精度を精度を高めたり、営業の施策や結果からさまざまなトレンドを追うことができるようになる点です。一般的に「データドリブン」の価値としては、後者の「施策の判断 やPDCAの実行」が挙がりやすいですが、営業の意識変革という意味で、前者の「データが人を動かす納得感を生む」という点を当社は重要なポイントだと認識しています。
――では、GRAPHならではのデータの可視化についてうかがえますか。
Salesforceとセットで活用いただくケースが多いのですが、Salesforceのデータの持ち方は平たく言うと「チームの数字の本日時点のスクリーンショット」です。そのため、先週から今日までの変化を見る難易度は少し高い。GRAPHは、Salesforce上に蓄積された過去のデータを保存し、かいつまんで見せることが得意です。そのため、先週と本日の状態という2点間の差分をわかりやすく表示することが可能です。
多くの企業ではこの差分を見るために、前回分の数値やデータを手元のExcelやスプレッドシート上に保存し、今回分のデータをCRMからダウンロードして貼り付けするなど複雑かつ脆弱な運用に陥っています。GRAPHでは、比較したい2点の日付をカレンダーで選択するだけで済みますから、会議の準備が簡略化できます。加えて、Salesforceはチーム全体の目標設定および管理はできるものの、個人の目標管理は実質的に不可能です。一方、GRAPHでは個人ごとの目標設定の進捗管理も容易です。
また、1ヵ月の中でどのように数字が伸びていったのか、先月の推移と比較することもできます。この比較により、「現段階で先月と比較して○○万円遅れをとっている」ことが明確にわかります。
営業担当者の数字の積み上げ、目標の達成率も可視化できます。直近数ヵ月のトレンドを、受注率、商談数単価などの切り口で平均と比較することも可能です。ここまで気持ち良く、容易に、これらの数字を比較することはほかのソリューションではできないと自負しています。
UI・UXには好みもあると思いますが、現場の営業担当者がとっつきやすいという視点で、非常にこだわっています。「データ」に苦手意識がある営業担当者も多いと思いますし、正直私自身も営業担当者として初めてSFAを活用したときは、非常に使い勝手が悪く面倒なものだと感じたものです。我々は「プアなビジュアライズ」「使いこなしにコツが必要」という課題をクリアするUI・UXにより、データに縁遠かった営業パーソンを「よくわからないけど入力させられている」状況から開放することを目指しています。
そのため、これまでSFAを上手く活かせていなかった企業様からは「データを使ったコミュニケーションが可能になった」と高い評価をいただいています。一方で、Salesforceを使いこなす企業として有名なメドレーにも導入が決まっています。2点間の差分データが出せることと、営業にとって使いやすいUIが、さまざまな状態の企業に好評いただいている証左となっています。
――今後、どのような機能追加や販売戦略で日本の営業組織を支援していくのか、展望をお聞かせください。
成果を出すために分析するべき項目はある程度決まっていますから、「イケている営業組織の分析の型」をプリセットしたソリューションに進化させていく予定です。Excel やBIツールにデータを連携してあらためて分析せずとも、GRAPHさえあれば営業組織に必要な分析がすべて完結する世界を目指していきます。
加えて、1つひとつの導入案件をきちんと成功させたいと考えています。当初は、ツールを磨き込みながらユーザー数を拡大し、使い込んでもらえるツールになることをイメージしていました。これは、Salesforceも使いこなしているようなエキスパートな企業様であれば今すぐに可能ですが、本日お伝えしたとおり、営業人員が多かったり、新しいビジネス・売り方を模索したりしている大手企業様では、まずは「目標に対するコミュニケーション方法」を整備する必要があることがわかりました。1つひとつの組織を成功に導き、最終的にはユーザー企業とのコミュニティも形成して、そのうえでナレッジが横展開される世界を目指していきます。
――営業組織改革を目指す営業リーダー・マネージャーへ、メッセージをいただけますか。
中長期的な視点で良い組織になるための仕組みづくりをする際には、データはとても有用であり、必要不可欠です。一方、その扱いは非常に難しいものでもあると思います。どのようなデータを抽出・可視化し、行動変容を促すか。当社のツールやプロフェッショナルサービスが、この難問にお力添えできると信じています。
まずは、データドリブンな会議の仕組みをつくっていきましょう。データを基に会議を行うことで、さらにデータが集まっていく好循環が生まれ、データ活用の良いサイクルが回り始めるはずです。SFAなどの活用でせっかく手に入れたデータをここで一挙に活用し、共に営業組織をレベルアップさせるセールス・イネーブルメントに取り組んでいきましょう。
――現場の意識を根本から変えていくデータ活用の事例を共有いただけました。本日はありがとうございました!