CXの重要性を理解してもらうための取り組み
CX向上のためのプロダクト「KARTE」をSaaSで提供しているプレイド。同社のミッションは「データによって人の価値を最大化する」。企業の販売活動に関するデータの量は増加する一方であるが、人間がデータの力を最大限に活用することには課題が残る。あらゆる顧客接点のデジタル化が進むなか、顧客1人ひとりにフォーカスし、顧客体験(CX:Customer Experience)の価値を向上させることが今後の競争力の源泉になると考え、このミッションを掲げているのだという。
CXの重要性を理解してもらうため、プレイドではさまざまな活動を展開している。その一例が年に2回の年次カンファレンス「CX DIVE」である。直近では約1,000名を集め、最先端のCXを理解するセッションやテクノロジー紹介のブースを運営した。また、CXに関する情報発信にも積極的だ。CXに特化したオウンドメディア「XD(クロスディー)」、KARTE導入企業が展開する施策を紹介する「CX Clip」の運営のほか、昨年12月には新たに季刊誌「XD MAGAZINE」を発行している。「すべての取り組みがCX普及のため」と高柳氏は語る。
ここ数年、グローバル企業が進めるマーケティング戦略の一環でCXは大きな注目を集める。高柳氏は、そのCXを「商品やサービスの価格や機能性のような物理的な価値だけでなく、サービスの利用前後を含むあらゆるタッチポイントで顧客の満足度や喜びのような感情や体験の価値向上を目指すもの」と説明した。CX向上に取り組む企業は今後増加するというのがプレイドの見立てだ。米Forrester Consultingが2018年3月に実施した調査結果によれば、全体の80%が今後12ヵ月のビジネスにおける優先事項としてCXの向上を挙げている。それに加えて、CXに投資した企業は、LTV(顧客生涯価値)、顧客満足度、顧客維持率、リピート購入率が向上したことがわかっている。
良いCXの提供では何が必要になるのか。高柳氏は、「いろいろな意見があると思いますが、我々は『お客様のことを圧倒的に知り、お客様に対して徹底的に合わせる』ことが最初の一歩だと考えています」と語る。KARTEは、ウェブサイト、アプリに来ているユーザーをリアルタイムに可視化し、1人ひとりに対して最適なコミュニケーションができる環境を提供する。金融、保険、人材、不動産など、あらゆる業種でKARTEは採用されており、最近ではBtoB企業の事例も増えてきたという。