サイボウズは、国内企業におけるDX人材育成への取り組みに関する調査結果を踏まえ、DX人材のあるべき姿やその育成に向けて企業に求められる方策を提言するレポート「間違いだらけのDX人材育成~企業変革に資する人材の行動変容と組織能力の向上に向けて」を公開した。
本レポートは、アイ・ティ・アール(以下、ITR)がサイボウズからの依頼に基づき、調査・分析を行った結果をまとめたものになる。
レポート「間違いだらけのDX人材育成」について
多くの企業がDX推進に向けてDX人材育成に取り組んでおり、従業員に向けた教育・研修などを行っているが、必ずしもDXの推進や成果に結びついていない現状がある。成果を出しつつある企業の取り組みを分析すると、全従業員を対象にすることや、知識やスキルの習得で終わるのではなく、各人が自ら学び、業務やビジネスに活かすような行動変容を促すことなどが重要であることが見えてきた。
本レポートでは、国内企業におけるDX人材育成への取り組みに関する調査結果をもとに、デジタルが前提となる時代に求められるDX人材像と、その育成に向けて企業に求められる方策を提言している。
調査報告書抜粋
研修受講後に求められるアクション
DX研修・実習の成果を高める方策を探るため、研修後の取り組みと成果の度合いの関係を見ると、研修実施後の取り組みとして、「受講後に期待する各自の職場でのアクションの明確な提示」や、「学んだ事柄を実践できるIT環境の整備」「学びの実践機会の提供」などが成果に影響を与えることが明らかになった。
環境整備の状況がDX研修・実習の成果を左右する
DXの成否を分ける従業員の行動変容を促すために必要な環境整備を探る調査では、「ローコード/ノーコードを多くの人が利用できるようにする」ことが、もっとも効果的であることが明らかになった。これにより、「自らDXを自分事として取り組む姿勢を持つこと」や「デジタル技術を適正かつ有効に活用する能力を身につけること」が向上している。また、社外との連携を促進する場やコミュニティの提供も、DX研修の成果を高める重要な要素として挙げられた。
【調査概要】
- 名称:企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)人材育成実態調査
- 調査主体・分析:アイ・ティ・アール
- 調査年月:2024年10月
- 調査対象:ITR顧客企業およびITR保有の独自ウェブパネルを対象に、従業員数100名以上の企業のDX推進者、IT戦略決定者、IT企画立案者、IT実務者に該当する課長職以上
- 回答受付方法:ウェブフォーム
- 有効回答数:660件