弁護士ドットコムは「働くことを考える調査」を実施。その中でも「働かないおじさん」の問題に注目し、結果を発表した。
調査概要
- 調査機関:自社調査(弁護士ドットコム一般会員を対象)
- 調査方法:弁護士ドットコム一般会員を対象にウェブアンケートを実施
- 調査対象:弁護士ドットコムの一般会員1,053名
- 調査期間:2022年10月19日~10月25日
調査結果
雇用労働者767人を対象に、職場に「働かないおじさん(おばさん)」がいるかたずねた。その結果、58.7%が「いる」と回答。「自分がそうだ」(4.2%)と合わせた計62.9%が「職場に働かないおじさん(おばさん)がいる」と回答した。
「働かないおじさん(おばさん)」の実態
(職場に「働かないおじさん(おばさん)がいる」と回答した人)
- いつもパソコンを眺めているだけで、何も仕事をしないくせに仕事を頼むと「何で俺がこんな仕事やらなきゃいけないんだ」と高圧的に騒いで断る。ただ居るだけ(従業員数1,000人以上)
- 仕事がないので定時を待って帰るのだが、罰が悪いのか必ず外線電話がかかってきたふりをして出かけるから帰る。実はこの電話どこにもつながっておらず自作自演(従業員数1,000人以上)
- 過去の成功体験をアップデートせずに、時代遅れのプランを裏付けもなく非論理的に主張してきて、その点を指摘しても強弁するだけの対応しかできない(従業員数20人未満)
- 自分はこれが苦手、できないを常に言う人がいます。あの人は出来なくても、仕方ない感を出していて、人に仕事を任せています(従業員数300人~999人)
自身のキャリアについて思うこと
(「自分がそうだ」と回答した人)
- やっても、やらなくても給料は、さほど変わらない。やってるように思わせられれば、給料はもらえる(40代男性、会社員・会社役員)
- 毎年新たなスキルや資格を習得するよう心掛けているが、習得したスキル等を活かせる部署に配属されたためしがない(40代男性、公務員・団体職員)
- 年齢によって働くスタイル、働く内容が変わってくる。年齢が高くなれば若い時分のようにはバリバリ働けないが、培った経験則と人脈がありわずかな労力で相当な対価を得ることができると思う(50代男性、会社員・会社役員)
- そろそろ若い者に仕事を任せて、自分はルーティンワークに徹したい(50代男性、会社員・会社役員)
「自分がそうだ」と回答した32人を除く雇用労働者735人に対して、なぜ「働かないおじさん(おばさん)」は働かなくなったと思うかたずねた。その結果、「働いても働かなくても待遇が変わらないから」(64.2%)がもっとも多く、「年功序列で、ある程度の給与やポジションが保証されているから」(51.3%)、「職場の雰囲気がゆるいから」(32.7%)と続いた。
自身が将来「働かないおじさん(おばさん)」になる可能性があるかたずねたところ、22.9%が「ある」と回答した。
無職、個人事業主・自営業、学生も含めた回答者全体に対して、社会全体で「働かないおじさん(おばさん)」が増えないために何がもっとも必要かたずねた。その結果、「年功序列をやめて、給与に差をつける」(30.2%)がもっとも多く、「解雇をしやすくする」(16.0%)、「中高年になってからの学び直しを促進する」(14.1%)と続いた。