オロは、知的サービス業の従業員983名を対象に「<経営の見える化>に関する実態調査」を実施。その結果を発表した。
- 調査概要:知的サービス業<経営の見える化>に関する実態調査
- 対象エリア:全国
- 対象者:IT・広告・コンサルティング業などのナレッジワーカー983名
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 調査期間:2022年8月26日~2022年9月1日
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100にならない場合がある。
調査結果
勤め先において、どのようなシステムを活用して経営管理を行っているかたずねた。その結果、16.0%が「ERPを活用している」、23.3%が「ERP以外のクラウドツールや自社独自のシステムを複数組み合わせて活用している」、19.1%が「紙帳票やExcelを活用している」と回答した。
システム利用と、直近3年間の「業績(売上)」目標到達具合をクロス集計した。その結果、経営管理にERPを活用している会社ほど、売上目標に到達する割合が高い傾向にあった。
- ERPを活用している:売上目標「到達」群67.5%
- ERP以外のクラウドツールや自社独自のシステムを複数組み合わせて活用している:売上目標「到達」群61.5%
- 紙帳票やExcelを活用している:売上目標「到達」群44.7%
勤め先において、売上や利益をはじめとする自社の経営状況を表す数字がリアルタイムでいつでも従業員が確認できる「経営の見える化」を行っているかたずねた。その結果、26.7%が「行っている」、49.4%が「行っていない」と回答した。
「経営の見える化」を行っている場合と行っていない場合で、直近3年間の「業績(売上)」目標到達具合をクロス集計した。その結果、「経営の見える化」を行っている会社は行っていない会社に比べ、売上目標の到達率が1.5倍高い傾向にあった。
- 経営の見える化を行っている:売上目標「到達」群64.9%
- 経営の見える化を行っていない:売上目標「到達」群42.8%
「経営の見える化」を行っている場合と行っていない場合で、従業員満足度をクロス集計した。その結果、「経営の見える化」を行っている会社ほど従業員満足度が高い傾向があった。
- 経営の見える化を行っている:従業員満足度「高い」群71.4%
- 経営の見える化を行っていない: 従業員満足度「高い」群43.8%
「経営の見える化」を行っている場合と行っていない場合で、従業員エンゲージメントをクロス集計した。その結果、「経営の見える化」を行っている会社ほど従業員エンゲージメントが高い傾向があった。
- 経営の見える化を行っている:従業員エンゲージメント「高い」群64.5%
- 経営の見える化を行っていない: 従業員エンゲージメント「高い」群28.4%
「経営の見える化」がすすんでいると答えた回答者に、「経営の見える化」がすすんだきっかけをたずねた。その結果、30.3%が「業績は順調だが、今後の事業拡大を見据えて」、29.7%が「社内から上申」、27.6%が「経済危機の発生」と回答した。
勤め先における「経営の見える化」の障壁は何かたずねた。1位「データの入力・蓄積などの運用を現場に徹底させることは困難だから」(17.6%)、2位「業務が標準化されておらず、データの収集が不可能だから」(14.6%)、3位「人件費を含めた損益管理(プロジェクト別原価計算)の難易度が高いから」(13.7%)という結果になった。
「経営の見える化」の障壁(自由回答)
- 社内での見える化に対するメリットの理解不足
- システム連携が難しい
- 数値に対するリテラシー差が大きすぎるから
- 経営陣に数字に関する知識がない
- データ入力に大きな手間がかかる