ディップが営業部門500人を対象に「DXサービスに関する認知」に関する調査を実施し、企業のDXサービスの導入状況・導入後の効果を明らかにした。
営業部門のデジタルツール導入進捗は3割程度
はじめての緊急事態宣言が欲出された2020年4月から1年たった今、営業部門のデジタルツールの導入状況を明らかにするべく、勤務先での「オンライン商談ツール」「クラウド電話・電話アプリ」「CRM/SFA」「MAツール」の導入状況を探った。結果、もっとも導入が多かったのは「オンライン商談ツール」で34.5%、次いで「CRM/SFAなどの顧客管理・営業支援ツール」が34.1%、「クラウド電話・電話アプリ」が27.9%、「MAツール」が21%と続き、それぞれ3~5社に1社はツールを導入していることが明らかに。
もっとも導入が多かった「オンライン商談ツール」について、「大企業」と「中小企業」、そしてそれぞれの「営業・販売部門」「管理部門」と4つの属性に分けて分析した。その結果、「オンライン商談ツール」導入は、「大企業」「営業部門」では52.1%と半数以上が導入していたのに対して、中小企業の営業部門は19.9%と30pt以上の差が生じていた。
コロナ禍以降に導入したツール オンライン商談ツールが最多で6割以上
営業部門でデジタルツール導入済み、と回答した回答者を対象に勤務先でデジタルツールの導入・検討を開始された時期を尋ねると、「新型コロナウイルス感染症蔓延後に導入した」の割合は、「オンライン商談ツール」が66.1%、「クラウド電話・電話アプリ」が41.9%、「CRM/SFAなどの顧客管理・営業支援ツール」が26.7%、「MAツール」が37.9%の順であった。
デジタルツールの導入が進んでいない理由 中小企業と大企業で異なる解釈
勤務先でデジタルツールの導入が進んでいない理由を尋ねると、中小企業と大企業で回答の内容が異なる傾向がうかがえた。(次の項目ではもっとも多かった理由を記載)
オンライン商談ツール
- 中小企業:デジタル活用に長けた人材が不足しているから/どのツールが良いのかわからないから
- 大企業:現場社員の理解力不足・必要性を感じていないから
クラウド電話・電話アプリ
- 中小企業:デジタル活用に長けた人材が不足しているから/どのツールが良いのかわからないから
- 大企業:現場社員の理解力不足・必要性を感じていないから
CRM/SFAなどの顧客管理・営業支援ツール
- 中小企業:デジタル活用に長けた人材が不足しているから/DXの効果を正しく理解し、説得する自信がないから
- 大企業:既存のシステムや業務プロセスで不自由がないから
MAツール
- 中小企業:費用・予算が捻出できないから/稟議のための準備に時間がかかるから
- 大企業:ツール導入後の明確なビジョンを描けていないから
中小企業と大企業で異なる効果の実感が異なる
DXツールを導入している企業で働く回答者に「勤務先で導入されているデジタルツールにより実感している効果」を尋ねた際の回答は次のとおり。
オンライン商談ツール
- 中小企業:業務にかかる手間の削減
- 大企業:業務にかかる手間の削減
クラウド電話・電話アプリ
- 中小企業:社員のデジタルリテラシー向上
- 大企業:業務にかかる手間の削減
CRM/SFAなどの顧客管理・営業支援ツール
- 中小企業:売上・利益率など業績の維持・向上 / 既存顧客との関係性の向上
- 大企業:業務にかかる手間の削減
MAツール
- 中小企業:業務にかかる手間の削減 / 社員のデジタルリテラシー向上
- 大企業:既存顧客との関係性の向上
調査概要
- 調査実施時期:2021年4月2日(金)〜2021年4月5日(月)
- 対象者条件:47都道府県内在住の22歳~69歳男女で、会社員かつ従業員規模が50名以上の企業に所属
- 有効回収数:1,000サンプル