パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、2020年6月の転職求人倍率をまとめた「doda 転職求人倍率レポート」を発表した。
転職求人倍率は、ホワイトカラー層を中心とした転職マーケットにおける需給バランスを表すもの。同社エージェントサービス登録者(転職希望者)1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値となっている。算出式は転職求人倍率=求人数(採用予定人員)÷転職希望者数。
2020年6月の概況
2020年6月の転職求人倍率は、前月比-0.37ポイントの1.66倍となった。求人数は前月比100.2%、前年同月比72.5%。転職希望者数は前月比122.3%、前年同月比102.6%だった。
業種別では、「その他」を除く8業種のうち「IT・通信」「金融」「メディカル」「商社・流通」の4業種で求人数が増加。求人の増加率が特に高かったのは、「金融」(前月比120.4%)、「IT・通信」(前月比102.5%)。
職種別では、11職種のうち「営業系」「技術系(IT・通信)」「技術系(電気・機械)」「専門職」「事務・アシスタント系」の5職種で求人数が増加した。求人の増加率が特に高かったのは、「事務・アシスタント系」(前月比115.8%)、「営業系」(前月比104.7%)だった。
求人数は微増 DX推進に関連する職種へのニーズが高まる
doda編集長 喜多 恭子氏は、次のように解説している。
「5月末に緊急事態宣言が解除されたことにより、採用活動を再開する企業が徐々に増え、求人数は微増となりました。転職希望者数については、新型コロナウイルスの影響により会社の先行きに不安を感じている人や、より柔軟な働き方を求める人が増え、集計定義を変更した2014年4月以降で最高値となりました。
新型コロナウイルスの影響は、さらに長期化することが予想されるため、採用計画の見直しや自社内の雇用調整を進める企業が増えています。一方で、テレワークの普及やオンラインショッピングの需要拡大にともない、ITインフラ整備・情報セキュリティ構築に関わる職種や、ECサイトの立ち上げ・改善に関わる職種など、DX推進に関連する採用を強化する企業がより増えることも予想されます」