ディープラーニングを活用し音声から価値を提供する、産業技術総合研究所発ベンチャーのHmcommは、AI音声自動応答システム「Terry」のSalesforce連携アプリケーション開発にテラスカイと着手したことを発表。
同システムは、音声認識技術と音声合成技術を活用し、高認識率、ハイレスポンスでユーザーとの電話で自然な会話を実現するAIオペレーター。同システムの導入により、コンタクトセンター業界が抱えている以下のような課題を解決することが可能となる。
- 人件費高騰、人材不足…オペレーターに代わって電話対応できる同システムの導入で、新規採用費や教育コストを削減。
- 集中呼対応…電話集中時に電話を取り切れずユーザーを待たせていたが、同システムでスムーズな応対が可能に。
- ユーザー接点の増加…深夜や休日などの営業時間外に、同システムによる自動受付を開始したことで新たなユーザー接点を作り出すことが可能に。
- 人とAIの共存…電話に関する定常業務は、同システムが代行。社員はより高度なユーザー対応に専念。夜間対応など無理なシフト業務も減少し、働き方改革を実現。
すでに集中呼対応として、ディノス・セシールとTVショッピング受注センター向けのモデルを開発している。これにより、ユーザーを待たせることなくスムーズな応対が可能となると同時に、機会損失の大幅な減少が可能となる。
ヤマダ電機においては、ユーザー接点と利便性の向上を目的として、夜間の修理受付業務への適用が決定し、開発に着手した。すでにPoCは実施済みで、一定の効果が認められたという。
全社的な業務改革を推進中の大手物流会社においては、とくに緊急性が高く24時間365日体制で保守部品の管理、出荷、配送手配業務を運営しているコールセンターにおいて、同システムの導入により業務の効率化や応対品質の改善によるカスタマーサービスの向上、オペレーターの働き方改革を進めることが決定した。
今後は、ユーザーの手軽な利用や高度な活用に向け、同システムのSaaS化を進めていく。Salesforce導入済みの企業からは連携を求める声も多く寄せられたことから、セールスフォース・ドットコムのAppExchangeパートナープログラムに参加し、テラスカイと協業で同システムとSalesforceとの連携アプリケーションの開発にも着手した。2020年春の公開に向け、準備を進めていく。