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テクノロジーと人はどう共存するのか? ロイヤルホールディングス会長の経営論/リクルートのRPA活用

2019/08/15 07:00

 リクルートジョブズは、7月にHR Intelligence Forum Showcase Conferenceを開催。新たなテクノロジー活用の事例を発表する場として、主にサービス業を中心に事例が共有された。本稿では、ロイヤルホールディングス菊地会長による「サービスの現場とテクノロジー~ロイヤルグループの取り組み~」とリクルートコミュニケーションズ小路氏による「現場生産性を向上するためのテクノロジーの使い方」ふたつのセッションをダイジェストでお届けする。

人とテクノロジーの共存を目指すロイヤルHD

 基調講演に登壇したのは「ロイヤルホスト」や「てんや」などを全国に展開するロイヤルホールディングス代表取締役会長の菊地唯夫氏。

 日本のサービス産業においては自社の強みを「現場力です」と主張する企業が多い一方、現場力でカバーできないことさえも現場に求めているのではないかと指摘しセッションを開始した。これからの時代はテクノロジーの活用が必須になるわけだが、現場に対してテクノロジー活用の認識すり合わせを行うことこそが経営の命題ではないかと述べた。

 
ロイヤルホールディングス株式会社 代表取締役会長 菊地唯夫氏

 日本のサービス業におけるジレンマは「おもてなし」、つまり「人が提供するサービス」に対する高い期待値がある一方、そのサービスに対しての対価となる「サービスの価格」が低いところにある。

 なぜ日本に限って、そのようなことが起きるのか。アメリカではチップという概念に代表されるようにサービスへの対価は、商品に対して払う対価の外側に置かれていることが多い。日本では商品への対価とサービスへの対価がひとくくりにされてきたがゆえに、デフレの時代において「サービス対価部分」が削られてきたというわけだ。

 では高くても、顧客がお金を払うサービスは何か。それはマニュアルに依存しないサービスだ。ロイヤルホストは2017年の1月より全店舗の24時間営業を廃止した。当初それによって7億円の売上低下が想定されたという。ある程度の損益は仕方ないかと菊地氏は考えていたが、実際には7億円分、売上が上がったという。深夜帯の営業をなくすことで、ランチやディナーの重要な時間に従業員のリソースを割くことができ、サービスの質が向上したからだった。

 ロイヤルホールディングスは、そのほかにもさまざまな取り組みを実店舗で推進している。「完全キャッシュレスの店舗」「レジ締めの必要がないレジ」「AIによる来店予測」など。AIによる来店予測では10連休に実際に店長とAIで混雑時間や混雑日の予測勝負をしたところ、1勝1敗となったという。

 このようにテクノロジー活用を進めていると、従業員が「自分たちは必要ないのではないか?」と不安に思ってしまうこともあるという。そのような不安を取り除くためのケアが重要であるという前提のうえで、菊地氏は下記のように述べた。

 「価値を生み出していない仕事に人はストレスを抱えるものです。そこへのテクノロジー活用を推進しこれからの仕事では、人orテクノロジーではなく、人withテクノロジーを目指していくべき。『ホスピタリティ、クリエイティビティ、マネジメント』はAIでは代替できないものであるからです」

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