【基本編】これだけはおさえておきたい最低限のマナー4つ
まずは、最低限おさえておきたい基本のマナーを4つご紹介します。
時間を守る
最低限のマナーの中でも最も重要なのが、時間を厳守することです。時間にルーズな人はプライベートでもよく思われませんが、ビジネスでは企業の損失に直結するため、気分の問題では済まされません。例えば、取引先との会合に遅れたとなれば、自分はもちろん所属する企業の信頼を落としてしまいます。基本は時間に余裕を持って行動し、もしどうしてもアクシデントで遅れてしまうという場合は、わかった時点ですぐに連絡するとともに、到着時間の見込みも具体的に伝えましょう。
ハキハキと挨拶する
挨拶はビジネスの基本とも言われます。職場の同僚や上司だけでなく、取引先にも率先して自ら声かけを行いましょう。ハキハキと明るい挨拶は好印象や安心感を与えられ、仕事をスムーズに進められます。
出社時には「おはようございます」、退社時には「お先に失礼いたします」など、場面に合わせて明るく元気に挨拶をしましょう。
報告・連絡・相談
まとめて「ほうれんそう」とも呼ばれ、主に社内業務を円滑に進めるための基本的なマナーとして知られています。一般的に、業務は1人で行うものではなく、複数人のチームで行います。そのため、こまめにコミュニケーションをとることが重要です。
例えば、指示された仕事が出来上がったらすぐ指示を受けた人に報告する、わからないことがあれば自己判断せずすぐ誰かに相談する、失敗したときも隠さず報告と相談をして指示を仰ぐ、などです。聞かれる前に自分から働きかけることが、コミュニケーションのコツと言えるでしょう。
清潔感のある服装
社会人としての身だしなみは、おしゃれよりも清潔感です。スーツのシワやシャツのシミ、靴の汚れなどがないようにきちんと整えましょう。男性の場合はヒゲを剃る、女性の場合はナチュラルメイクなどもマナーの一つです。
頭髪もあまりに奇抜な髪型や髪色にしたり、明らかに伸び放題であったり、寝癖がついていたりといった状態にならないよう気をつけましょう。長髪の場合は後ろでまとめる、できるだけ地毛に近い自然な髪色にするなどの配慮が必要です。
【ビジネスシーン編】ワンポイントで差をつけるマナー3つ
次に、ビジネスシーンでこれをおさえておくとポイントアップにつながるマナーを3つご紹介します。
席次の考え方
取引先や上司など目上の立場の人と過ごす場合、席次の考え方が重要になります。基本的には目上の人や接客される側が上座(かみざ)、目下の人や接客する側が下座(しもざ)に位置するように配置します。
上座・下座の分け方は、上座が「出入口から最も遠く、居心地のよい場所」、下座が「出入り口に近く、すぐに動きがとれる場所」と覚えておくとよいでしょう。以下に例を示します。
- タクシー…運転席の真後ろが上座、運転席の隣が最も下座。
- エレベーター…操作盤の前が下座、操作盤の奥側最奥が上座。
- 会議室…出入口から最も遠い席が上座、出入口に最も近い席が下座。
名刺交換
ビジネスシーンでは、名刺交換を行う機会が多いものです。第一印象にも大きく影響するため、きちんとマナーをおさえておきましょう。自分の名刺を名刺入れの上に重ねて持ち、胸の前に構えて両手で渡すのが基本です。同時に交換する場合は、右手で渡して左手で受け取りましょう。
名刺交換は立って行います。座ったまま、テーブル越しに名刺交換をしたり、ポケットから出した名刺をそのまま渡したりするのはマナー違反です。また、名刺の文字が相手から見て上下逆さにならないようにするのも忘れないようにしましょう。
エレベーター
エレベーターでは、取引先や上司よりも先に乗り降りしないよう気をつけましょう。乗る時は入口でボタンを押し、取引先や上司を先に中に案内します。乗ったら率先して、最も下座である操作盤の前に立っておくと良いでしょう。降りる時は「開」ボタンを押し、全員が降りるまで待ってから降りると好印象です。乗る時も降りるときも最後尾、と覚えておくと良いでしょう。
【電話応対編】電話を受ける、かけるときのマナー3つ
次に、電話の受け答えについてのマナーです。業務連絡で電話を使うことは多いため、社会人の基本ルールとしてぜひマスターしておきましょう。
受け答え全般のマナー
電話は対面で直に話すよりも聞き取りにくくなります。そのため、早口にならないよう、また、普段よりも一音一音はっきりと話すよう心がけましょう。同じように、相手の声が聞き取りづらいこともあります。もし、相手の言っていることがわからないくらい聞き取れなかったときは「恐れ入ります、お電話が遠いようなので、もう一度お話しいただけますか」と言い、正しく聞き取るようにしましょう。
また、メモと筆記用具を常に手元に置いておき、日時や電話番号など重要な情報はメモを取るようにクセづけておくと安心です。
電話を受けるときのマナー
電話を受けるときは3コール以内にとります。もし、それ以上かかってしまったときは「お待たせしました」と一言添えましょう。また、第一声については「お電話ありがとうございます。△△コーポレーションです」といった内容ですが、社内ルールで決められていることが多いため、よく確認しましょう。また、電話を受けたときはかけてきた方が切るまで切らないのがマナーです。
電話をかけるときのマナー
電話をかけるときは、周囲が騒がしくない場所、電波状況が良い場所でかけましょう。また、あらかじめ要件を整理してメモにまとめておくことも重要です。特に取引先の場合、始業直後や昼休み、終業直前といった慌ただしい時間帯は避けましょう。
電話がつながったら、自分から名乗り、相手の部署名と名前を伝えてつないでもらいましょう。また、話が長くなりそうな場合は「このまま続けてもお時間は大丈夫ですか」と相手の都合を聞くのもマナーです。
【メール編】ビジネスメールのマナー2つ
最後に、ビジネスメールを送る際のマナーについて2つご紹介します。
わかりやすく、簡潔に
ビジネスメールはわかりやすく、簡潔に送るのがマナーです。というのも、ビジネスでメールを使うシーンは非常に多く、相手は1日に大量のメールを見ていることが前提だからです。誤字脱字がないこと、言葉遣いが正しいことはもちろんのこと、メールの内容が一目でわかる件名をつけるとより親切でしょう。
例えば、「打ち合わせ日程の件」「出張報告書」など、内容をワンフレーズで表した件名にするのがおすすめです。
返信は1営業日中に
特に取引先からのメールの場合、返信は1営業日中にするのがマナーです。返信が遅れると、メールに気づかれなかったのではないか、見落としているのではないかといった不安を与えてしまうだけでなく、「後回しにされたのではないか」という不快感を与えてしまうことになりかねません。そのため、すぐに回答が難しい内容だったとしても、まずはメールを確認したことを速やかに知らせましょう。
社会人としてのマナーをおさえ、ビジネスシーンに活かそう
ビジネスシーンにはさまざまなマナーがあります。暗黙の了解とも言われるこれらのマナーは、社会人としてビジネスを円滑に進めるために欠かせないものです。特に、席次の考え方や名刺交換、電話の受け答えなどはプライベートではあまり意識したことがない人も多いのではないでしょうか。基本的なマナーをしっかりおさえ、ビジネスシーンに活かしていきましょう。