なぜトップ営業のトークはいつも新鮮に顧客へ響くか
知人の営業スタッフは、自分でも契約を獲得しながら部下のマネジメントも行っている。かなりたいへんそうに見えるが、しっかりと結果を出している。
その知人はあるとき部下から、「毎回同じトークをしていてよく飽きませんね」と言われたという。言われて初めて「なぜ飽きないのだろう?」とじっくり考えたところ、“お客様に合わせてアレンジしているから”ということがわかった。
たとえば、あるお客様に対して「この人は数字が好きだな」と判断したとする。その場合は「この機能は光熱費を〇%削減でき、具体的には〇円コストダウンできます」と数字を伝えるようにする。
またプライドを重視するお客様であれば、「このグレードにすればほかの方に自慢できますね」といったトークを追加する。このようにお客様に合わせてトークをアレンジしていく。だから毎回同じトークをしても飽きない。今回、それが理解できたという。
お客様によって興味のポイントは異なる。まずは基本的なトークをしながら、ポイントを掴む。そしてそのお客様が反応するトークにアレンジしていく。お客様に響くことはもちろん、自分も毎回新鮮な気持ちで説明ができる。
実は“トップ営業スタッフ”と”ダメ営業スタッフ”のトークの差はほとんどない。それを実感した出来事があった。とある企業から「営業スタッフが、お客様とやりとりするところを動画で見てチェックして欲しい」という依頼をもらったときのことだ。
とても勉強になったのだが、まず驚いたのは「ほとんどの営業スタッフがほぼ同じようなトークをしている」ということ。この会社はトークマニュアルがしっかり確立されており、どの営業スタッフからも「日ごろからしっかりとロープレをして練習しているな」という印象を受けた。
しかし、何回も見ているうちに、同じような内容の中にちょっとした違いを発見した。その違いとは何だろうか。