営業が「売らない」理由がわかりますか?
ある営業スタッフの集まりでのこと。40代後半の貫禄のある人と名刺交換をした。
その人は自信満々に「客と話をする機会さえあれば絶対に売ることができますよ」と豪語していた。リモート商談の勝率は少し落ちるものの、リアルで会ったときはほぼ契約を取る。そのお客様が欲しがっていなくても強引に売ってしまうという。
それが本当なら見上げた営業力だが、私はそんなことをされたくない。つけいられる前にその人の前から立ち去った。すごい営業スキルだとしても、必要としていないお客様からすれば迷惑でしかない。
あなたの会社にもこういった伝説的な営業スタッフがいたかもしれない。しかしこれは一昔前の話であって、すでに都市伝説化していることだろう。今の時代、そのような強引なスタイルで結果を出し続けることは極めて難しい。
では今もなおダントツの結果を出し続ける本物のトップ営業スタッフはどういったタイプだろうか。
ひと言でいえば“なかなか売ってくれない人”である。お客様が買うと言っても、その営業スタッフが必要と判断しなければ「お売りすることはできません」と断るのだ。
もしあなたが「その理由がはっきりわかる」というのなら、トップ営業スタッフになる素質がある。もしかしたら、すでにトップ営業スタッフかもしれない。また、この話を聞いて「お客様が買うと言っているのに売らないなんて、ちょっとおかしい」と思った人もいるかもしれない。理由がよくわからないという方はこの後の話をしっかり読んでいただきたい。実例をもとに説明しよう。