Salesforceの導入失敗から1年後、定着に成功した理由とは?
SaaSプロダクト「バクラク」シリーズを提供するLayerX。セッションの冒頭では、バクラク事業部が立ち上がった 2020年8月にSalesforceを契約したものの、現場に浸透させられなかったことが明かされた。そのため、以前から利用していたスプレッドシートで案件管理を引き続き行い、2021年3月にはデータ連携ツールを使ってHubSpotとの連携を開始したという。
Salesforceの設計が再始動したのは、Salesforceの導入失敗から1年後の2021年8月のことだ。再始動から2ヵ月後の10月にはサービス契約までの初回商談・トライアルといったプロセスを、さらにその1ヵ月後にはカスタマーサクセス業務をスプレッドシートからSalesforceへ移行した。2022年5月には、請求書の発行業務もSalesforceのデータ活用により一括で発行できるようになった。
Salesforce導入の失敗について、松本氏はふたつの要因を挙げた。ひとつは、Salesforceの設定が複雑だったこと。ふたつめは、必要な機能が少なく、スプレッドシートで十分管理できる内容だったこと。Salesforce特有のレスポンスの遅さも相まって、スプレッドシートで十分だという結論に達したのだという。
しかし、Salesforceが定着した2021年10月には、スプレッドシートによる管理は限界を迎えた。複数のシートに同じ内容を何度も入力しなくてはならず、現場の負担が大きくなっていたのだ。
「このような状況をうけて、“どういうかたちなら現場が楽になるか”にフォーカスして設計・実装を行ったことで、Salesforceが定着したと考えています」(松本氏)