オンライン化=コミュニケーションの簡略化ではない
私はビジネスマナー研修の講師を務めてまいりましたが、新入社員教育においてはビジネスシーンで好印象を残すための身だしなみはもちろん、お辞儀の仕方や物の授受など、「細かな点まで確認することの大切さ」を多くの企業で指導されるのではと思います。
一方でコロナ禍ではオンラインの働き方が主流となり、対面からPC画面上へとコミュニケーションの場も変化してきました。対面のコミュニケーションでは全身を見られるため、オンラインという画面上でのコミュニケーションのほうが気楽に思えたり、簡略化された印象を持たれたりする方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実際それは大きな誤りです。仕事のオンライン化は決してコミュニケーションの簡略化ではなく、むしろ非対面のほうが感情の伝わり方が難しくなる分、コミュニケーションの難易度が上がっています。
「画面上」というコミュニケーションの手法が限られる場所で、「心が伝わる好印象」を残すことができる人材こそが、ニューノーマル時代に選ばれていくでしょう。連載「ニューノーマル時代の周りと差がつくオンライン・ビジネスマナー」最終回となる今回は、いま一度マナーの原点に戻り、人の心を動かすことのできるコミュニケーションを学んでいきましょう。