ウェビナー成果を可視化して商談を逃さない
セッションの後半では、「ウェビナー編」と称して、ウェビナーにおける「成果が隠れてしまっている問題」が解説された。
「データの管理が不十分だと、資料請求を通じて商談が創出されたことはわかっても、その資料請求がウェビナー起点であったことまでは判別がつきません。ゆえに、ウェビナーの成果が隠れてしまうのです」(村尾氏)
こうした状況が放置されてしまうと、マーケティング部は「ウェビナーの満足度は高いのに、なかなか成果に表れない」、インサイドセールスは「ウェビナーはすぐに商談化しないから資料請求に力を入れて欲しい」、セールスは「頑張ってくれているのはわかるけど、やっぱり資料請求のほうがいい」と後ろ向きになってしまう。このように、「成果が見逃された状態」のままだと、ウェビナーを廃止する判断が下されかねない。
「ウェビナーをやめてしまうと、商談はおろか資料請求も生まれません。先ほどお話しした資料請求の事例と同様に、皆が同じゴールに向かって一生懸命取り組んでいるのにもかかわらず、商談件数が減少してしまう『不幸』が起きてしまうのです。得られた成果を見逃さないためにも、デジタル接点をきちんと管理する必要があります」(村尾氏)
ウェビナー活用の分野においてもデジタル接点管理が重要であると語る理由は「ウェビナー参加者に対するフォローの優先順位づけにある」と村尾氏は続ける。
優先順位づけを行ううえで活用するスコアリングの指標は「属性」と「行動」の2種類。属性のスコアリングとしては「職種」「役職」「企業名」「メインターゲットか否か」などで、行動のスコアリングは「どのようなアクションが見られたか」「ウェビナーの以前にどれくらい資料請求を行っていたか」「名刺交換の有無」などが挙げられた。
村尾氏は、これらふたつのスコアを掛け合わせることで、ウェビナーの参加者に対してより適切なフォローができるようになると語る。
「一例ですが、属性スコアは高いが行動スコアが低い人に対しては、『アンケートの結果次第では、すぐに商談オファーをしてみよう』と施策を考えられるようになります」(村尾氏)
このほかにも、属性が「担当者」で「職種や企業規模がマッチしている(=属性スコアが中程度)」・「行動スコアが高い」ケースでは、「たくさん情報収集してくれているが、なかなか商談につながっておらず、社内展開に苦労している」様子を予測できる。
「担当者自身は良い製品であると考えているものの社内に上手く展開できていないケースでは、即座に商談オファーを持ち掛けるのではなく、インサイドセールスから事前のミーティングを設定し『社内展開の支援をさせてください』と持ち掛けるのが良いでしょう」(村尾氏)
デジタル接点管理の重要性が解説された本セッション。「フォローを行ううえで重要なことは、ただツールを使うだけではなく、営業・マーケティングにかかわる社員自身も真正面から案件と向き合ったうえでインサイトを得ることです」と村尾氏は説明する。
「これまでにお話しした事例は、『200名規模の会社だからできたのだろう』と思われるかもしれませんが、企業の規模感にかかわらず、理屈は変わりません」と力強く語りセッションを締めくくった。