営業職をしていてつらかったこと「ノルマ」が1位
営業職にとって、「目標」「ノルマ」という言葉は切っても切り離せない関係にあります。2021年6月に日本労働調査組合が全国の20~49歳の会社員531名を対象に実施した「営業職の退職動機に関するアンケート」によると、営業職でつらかったことの1位は「ノルマ」で、全体の36.3%という結果だったそうです。
リクルート時代は「未達は死を意味する」と言っても過言ではないくらい、決死の覚悟で日々の営業活動に向き合っていたこともあり、私自身もこのアンケート結果には非常に共感します。営業職のミッションは会社から課された目標数値を達成することです。ゆえに、職務を全うするという意味で、何が何でも成し遂げるべき、というのが私の持論です。
そこで、本稿では私がリクルート時代に実践していた「絶対目標達成」の5つのポイントをお伝えしながら、どのように数字をとらえ、行動に移すべきかを紐解いていきます。
1. 「ヨミ表」で達成をイメージする
営業活動の進捗を項目ごとに管理する「営業進捗管理(ヨミ)表」。「商談先」「商品名」「商品金額」「成約確度(ヨミ)」がレベル別に記載されているケースが一般的かと思います。私はこれらに加えて、「お客様とのコミュニケーション次第で達成できるかもしれない」トピックを共有する項目を作成しました。これにより、たとえ達成が程遠い場合でも、「今月の目標を小澤は達成しそうだな」とよく言われていました。
ちなみに、私は営業を離れ広報として働く今もこの表をアレンジしたうえで活用しています。メディア露出やプレスリリースの本数などをこの表で管理し、「○○をすれば目標を達成できる!」と達成するべき項目がメンバーたちにとっても可視化された状態でチームを率いています。
2. アスピレーション目標を設定し、より高みを目指す
「300万円という目標数値を達成するために何をするべきだろう……」などと考え込んでいるうちは、その目標を達成することができません。達成できたとしても、「なんとか成し遂げた」というギリギリの達成になってしまうでしょう。私がおすすめしたいのは、「目標値は300万円だけど、最終的には130%の成果を上げたい。どのようにして390万円に到達するかを考えよう」と、目標値を自ら引き上げることです。会社から課された「300万円」という目標値を「通過点」に変えてしまうのです。
前回の記事「『あなたはどうしたいの?』 営業組織のためのリクルート流・圧倒的当事者意識のススメ」でもお伝えしましたが、与えられた目標はあくまでも「通過点」としてとらえ、さらにその数字を上回る「アスピレーション目標」を設けることが目標達成のポイントです。