社内にあるファクトから「購買担当者の欲しい情報」を把握する
前回の記事「コロナ禍の営業活動に役立つ『公開コンテンツ』 内製する際の6つの注意点と外注のポイント」で、コンテンツ制作を内製する際には、ペルソナとカスタマージャーニーマップが必須であると説明しました。ペルソナ設定では、ターゲットとなる人物像について、基本属性や悩みなどを細かく設定します。BtoBの場合は、購買担当者だけでなく、場合によっては上司や経営層もペルソナとして設定します。ただし、上司や経営層は決裁権者であり、最初にコンテンツを目にするのは購買担当者であることが一般的です。
企業に何らかの課題が生じた際、多くのケースでソリューションを探すことになります。経営層の意向を受けた購買担当者は、Googleで解決策を検索することも考えられます。もし、ウェブサイトやブログで、解決への助けになりそうなコンテンツを発信していれば、皆さんの会社の名前が購買担当者の目に触れることになるでしょう。コンテンツの中に、適切に商材に誘導するような導線を設計することで、商談機会が得られる可能性も出てきます。
公開コンテンツは、こちらが発信したい情報をひたすら制作・公開し続けるのではなく、購買担当者が欲しい情報を逆算して企画する必要があります。見当はずれのコンテンツを制作したとしても、そもそも検索結果に表示されないでしょう。また、たとえ検索結果にヒットしたとしても、内容が伴っていなければすぐに離脱されてしまいます。
企業が欲している情報とは、すなわち企業の課題・悩みを解決する情報にほかなりません。たとえば「自社の電気代を節約しなければならない、なんとかしろ」と上司から指示があったとします。購買担当者はまず「企業 省エネ」「法人 電気代見直し」などの関連するキーワードで検索するでしょう。電気代を節約する方法がわかりやすくまとまっているページがあれば、担当者の目にとまるはずです。
電気代節約はコンサルティング営業の領域となりますが、有形商材でも同じです。所属長からの指示が「自社のITコストがかかりすぎている。機材の入れ替えで節約できないか」であれば「ITコスト 節約」から低価格の機材のページを探すでしょう。このように、ペルソナの悩みや行動特性をもとに、適切なコンテンツを企画することが重要です。ペルソナやカスタマージャーニーマップを設定する際は、顧客へのヒアリング、社内の営業担当者へのヒアリング、各種データをもとにします。イチから想像するわけでなく、ファクトに基づいて設定していきましょう。