マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、2021年に新卒入社した男女(新入社員)800名を対象に行った「2021年新入社員の意識調査」の結果を発表した。
2021年の新入社員のうち現会社を「3年以内に退職予定」と回答したのは28.3%(前年比0.3pt増)、「10年以内に退職予定」は51.0%(前年比0.7pt増)で、ともに前年と比べて横ばい傾向。「定年までいたい」は16.6%で前年とほぼ同数となった(前年比1.3pt減)。
【図1】今の会社であと何年ぐらい働くと思うか
男女別に見ると、「3年以内に退職予定」と回答した男性は22.5%、女性は34.0%に。
【図2】<男女別>今の会社であと何年ぐらい働くと思うか
なお、10年以内に離職を考えている人に「今の会社で長く働くと思わない理由」を尋ねたところ、男性1位は「転職でキャリアアップしていきたいから」、女性1位は「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから(結婚・出産など)」となった。
【図3】今の会社で、長く働くと思わない理由
「会社・組織の一員であると意識することはあるか」に対して「意識している」と回答した割合は、調査時点でフルリモート勤務している人では58.9%と全体の68.1%に比べ低い結果となった。
【図4】会社・組織の一員であると意識することはあるか
一方、フルリモート勤務者で「3年以内に退職予定」と回答した割合は全体(28.3%)の約2分の1の14.7%で、早期退職意向が低い結果となった。
【図5】<全体・フルリモート比較>今の会社であと何年ぐらい働くと思うか
オンラインの打ち合わせと対面の打ち合わせのどちらが気軽かを聞いたところ、「対面」は50.9%、「オンライン」は19.3%、「どちらでもいい」は29.9%。在宅頻度が高いほど、オンラインでの打ち合わせを希望する割合は高くなる傾向に。
【図6】仕事において、「オンラインの打合せ」と「対面の打合せ」のどちらが気軽と感じるか
上司や先輩とのコミュニケーションに関しては、メールやチャットなどのテキストツールよりも対面での対話を好む傾向となった。一方で、「上司への有給申請」では「テキストツールでのコミュニケーション」を希望する人の数が多くなった。
【図7】「対面での会話」がよいコミュニケーション手段、「メールやチャットなどのテキストツール」がよいコミュニケーション手段(複数回答)
マイナビ転職 編集長 荻田泰夫氏による総評
「2021年度の新入社員は、選考過程でオンライン面接を経験しているコロナ禍就活第一世代であり、入社時には企業においてもオンライン会議やオンライン研修の環境がある程度整っていた、オンラインネイティブ世代とも言えるでしょう」
「とはいえ、上司や先輩とのコミュニケーションはテキストツールより対面での対話を望むなど、関係構築にはやはり、リアルでの対話が欠かせないようです。今後もしばらく感染症対策などリアルなコミュニケーションが限定される状況が予想されます。新入社員の定着には、相談や慣れない業務の指示は対話でキャッチボールをしながら進め、ある程度固定化した指示や報告はテキストツールを利用するなど、状況に応じて適切な方法で、密なコミュニケーションを心掛けていくことが大切です」
マイナビ転職「2021年新入社員の意識調査」調査概要
- 調査期間:2021年6月25日(金)~6月28日(月)
- 調査方法:2021年卒の新入社員を対象にウェブ調査を実施
- 有効回答数:800名(内訳:22歳~23歳の男性400名、女性400名)