書籍から学ぶ
自分のペースで学習したい場合にはやはり書籍がおすすめです。前回解説した、「理論や考え方」「ツールの使い方」「事例」、3つそれぞれに特化したものをそれぞれ選びバランスよく学んでいただくのが良いと思います。
私のおすすめは、近しい内容の書籍を数冊購入して見比べてみることです。重要な部分や基礎的な部分ほど同じ内容が押さえてあることが多いため、その点を重点的に学習することができます。また書籍で使われている言葉遣いや図解の方法は人それぞれ好みがありますので「1冊読んで挫折してしまった」人でも見る本を変えれば苦手意識がなくなることもあります。
飲み会を一度我慢すれば2冊は購入することができますので、メルカリやAmazonの中古書籍もうまく活用しながらはじめは多くの書籍に触れることをおすすめします。
ここからあくまで「主観」でおすすめの書籍を紹介します。書籍の紹介はレベルや目的、好みによって本当にさまざまですから、あくまでご自身に合ったものを選ばれてください。
『統計学入門(基礎統計学Ⅰ)』(東京大学教養学部統計学教室/東京大学出版会)
統計学を学ぶ上で有名な基本の本です。内容は「入門」の部類では難しいほうかと思いますが、何度も読み返し振り返る本としておすすめです。この1冊で難しいと感じた場合は、ほかの入門書をガイドブックにしながら読み進めていただくと良いかと思います。「理論や考え方」を学ぶ書籍です。
『データ解析のための統計モデリング入門――一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC (確率と情報の科学)』(久保拓弥/岩波書店)
もちろん営業の内容によりますが、私がもっとも営業のデータ活用の中で必要と感じるのは「モデリング」という考え方です。ある程度統計学の基礎を学ぶと、「回帰分析」「重回帰分析」などを実務で利用するケースが増えるかと思います。その際により高度な内容を行う場合に丁寧に内容が記載されています。書籍の中で使われているツールなどは古いものもあるため、そのほかの新しい書籍も参考にしながら学ぶのが良いでしょう。「理論や考え方」「ツールの使い方」を学ぶ書籍です。
『データ分析営業 仮説×データで売上を効率的に上げよ(SalesZine Digital First)』(翔泳社)
手前味噌ですが私の拙書です。「営業でデータを活用するとはどういったことか」ということをまとめました。ビジネス課題からどのようにデータ分析に落とし込んでいくかをプロセスに沿って解説しています。「事例」を学ぶ書籍です。