『THE MODEL』と出会い、カスタマーサクセスの重要性を実感
株式会社QuickWork 代表取締役の村岡(@Ats_mrk)です。第1回では創業のきっかけとなった法人営業時代の体験について触れました。今回は実際に独立を決めてから、どのようにセールス組織を構築し始めたのかについて述べていきます。
起業を決めたものの、当時私はまだ社会人2年目。サービスのアイデアと強い想いはありましたが、ビジネスの立ち上げ経験はありません。法人営業の経験しかなく、組織づくりを一からどう進めていくべきか皆目見当もつきませんでした。そこで、自身に経験がないなら、経験のある人やモノから学べばいいと考え、とにかく本を読み漁ることにしました。COOの粂(@YoyK94)と一緒に、100冊ほどの書籍を読んだかと思います。そこで出会った1冊が『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』(福田康隆/翔泳社)という書籍でした。
「The Model」とは、営業プロセスモデルのひとつとして、セールスフォース・ドットコムで活用されてきたもの(参照:セールスフォース・ドットコムHP、営業効率を最大化する「The Model」(ザ・モデル)の概念と実践より)。セールスフォース・ドットコムでは、現在も営業プロセスを「お客様の成功と共に、売上を拡大していく仕組み」と位置づけ、見込み客と最初の接点を持つマーケティングやインサイドセールスから、商談を行うフィールドセールス、導入後の伴走支援を行うカスタマーサクセスまで、それぞれの部門が連携し、顧客に対して一貫した対応を実現しています。
私はThe Modelの「カスタマーサクセスを大切にする」という部分にもっとも感銘を受けました。売上に直結するようなマーケティング施策やセールス活動は非常に重要ですが、SaaSのビジネスにおいてはそのふたつと同じぐらいに、カスタマーサクセスが重要な役割を果たします。
私自身、これまでも「長期的な顧客とのつながり」を意識して仕事をしていたつもりでしたが、営業時代はついつい、コミットすべき目の前の売上に注力してしまうことがどうしても多かったです。その反省を経たおかげで、自分たちの提供するサービスでは何をすべきかが明確になったことを覚えています。事業拡大のためにも、短期的な売上だけを追うのではなく、長期的な視点での「Life Time Value(LTV/顧客生涯価値)」を最大化していくことを重視し、成長していこうと考えました。
これから展開していくQuickWorkのサービスでは、顧客に自社サービスのみならず、QuickWorkのファンになってもらうことを第一に考えていきたい。そのためには、顧客にとってコストパフォーマンスが高い優れたサービスであることはもちろん、ニーズをとらえたきめ細かな伴走支援が欠かせません。最初の顧客接点から、ご利用いただき使い続けていただくまでの「カスタマーサクセス」を追求することで、結果的に顧客の離脱を防ぎ、クロスセルやアップセルのチャンスを増やしていけると考えたのです。