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選ばれる営業になるには 若手とリーダーが持つべき心得をエージェント・一戸社長に聞く

2020/01/10 07:00

 情報環境やテクノロジーが発達し、営業組織の標準化が目指される時代。営業職の価値はどうなっていくのだろうか。営業出身社長へのインタビュー連載、第3回に登場いただくのは2019年10月に『あの営業マンが選ばれる「本当の理由」 お客様にとって唯一無二の存在になる時、お客様と営業マンの間に何が起きているのか』(日本実業出版社)を上梓した株式会社エージェントの一戸敏社長だ。未経験で保険業界にひとり飛び込み、いまやグループで350名の従業員を束ねる一戸さんに、営業の価値や、若手のモチベーションの上げかたについて話を伺った。

「打席」「単価」「打率」のどれを上げられるか

――一戸さんは現在のエージェントを創業される前に会計事務所で勤務されていたと伺いました。営業のお仕事にはいつから関わられているのでしょうか?

学生のときに起業した会社でイベントの企画や集客、協賛企業の開拓などを行っていたので、営業のキャリアはそのころからです。あるとき「このまま大学にいてこの仕事をやっていてもろくな人間にならない」と思い立ち、大学を辞めて違う会社を起こすことにしました。

起業するまでの5、6年は勉強のために会計事務所へ勤め、その後2年ほど父の事業を手伝ってから28歳の時に今の会社を作りました。昔はITがなかったので、起業すると言えば資本を投下してリターンを得る事業の立てかたしかできませんでした。もともと金融業界に興味はあったのですが、在庫不要でリスクの少ない保険の代理店業を始めることに決めました。

 
株式会社エージェント 代表取締役 一戸敏さん

会社設立当初は僕ひとりしかいなかったので、毎日崖っぷちに立たされている気持ちで必死に営業していましたが、まったく売れませんでした。月並な手法かもしれませんが、アポに行く回数を増やして売れる確率を上げ、お客様に商品や周辺知識をきちんと伝え続けていくうちに結果がついてきました。最近はAIの導入や営業の仕組み化が取り沙汰されていますが、「一定の母数をもとに成約率を上げる」という点では、僕のやってきたアナログの営業と根本は同じだと思います。大事なのは「打席」「単価」「打率」のどれを上げられるか。たとえば、経験や知識に乏しい新卒の営業は、残念ながら数を打つしかありません。それを、打率を上げるために必要なプロセスだと教えてあげないから、みんな「いつまでこんなことやらなきゃいけないんだろう」と思って辞めてしまう。逆に、僕のように20数年営業をやっている人間がずっと打席数ばかり増やしているのもまずいので、僕は少ない打席数で単価を上げ、8割9割打たなければいけない。

 

少ないアポで成果を最大化できるようになるには何をすべきか、そこがきちんと仕組み化されている会社を選ぶことは営業パーソンにとって大切なことかもしれませんね。ときどき、喫茶店で疲れ切った営業マンを見かけることがあるのですが、きっと彼らの営業は仕組み化されていないから、ルート営業であちこち回っても成約がとれなくて、部下に「営業という仕事は大変だ」と愚痴っぽく伝えてしまうんじゃないでしょうか。足を使って稼ぐ営業を否定はしませんが、いつまでもそれではダメだと思います。

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