Sansanは、NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社である日本通運における、営業DXサービス「Sansan」のデータ活用事例と成果を発表した。
施策の背景
日本通運は、NXグループの中核会社として物流事業全般および関連事業を展開するグローバル企業。サプライチェーンを取り巻く環境変化や物流の2024年問題などを背景に、さまざまな企業において物流が経営課題となるなか、同社ではNXグループ経営計画2028(※)のなかで「顧客志向の強い企業への変革」を基本方針に掲げている。顧客の経営課題をともに解決するパートナーとなるため、陸・海・空など部門を横断した組織的な営業力・提案力の強化に取り組んでいる。
2019年には「Sansan」を導入し顧客データベースを整備していたが、蓄積した150万件以上の顧客情報を最大限活用してさらなる営業変革を実現するため、2024年1月にSalesforceとSansan Data Hubを導入。また、データに基づいた営業戦略を立案するため、Sansan LabsとSansan研究開発部との共同で顧客データベースの分析に取り組んだ。
施策の運用と成果
データ分析に基づいたアプローチによる売上拡大
日本通運では、AIを活用して企業のデータ活用を後押しするSansan Labsと、その開発を担うSansan研究開発部と共同で、日本通運が「Sansan」に蓄積してきた150万件以上の顧客データを分析した。その結果を基に、自社と顧客との関係性を数値で可視化できる「企業リレーションスコア」や、人単位での接点状況から効果的なアプローチ対象を絞り込む「ヒートマップ」を作成。さらに、関係性の質を評価するため、決裁権限者や、そこに影響をおよぼす周辺のキーパーソンを体系的に把握できる人物相関図「パワーマップ」の作成にも着手している。これらを活用し、データに基づいたアプローチ戦略を立案することで既存顧客との関係性を深め、部門横断でEnd-to-Endの物流ソリューションを提案することで、売上拡大を実現した。
営業の型化による営業力の底上げ
日本通運では、顧客の購買意思決定プロセスを基に営業フェーズを再定義するとともに、効果的な営業アクションを整理し、受注につながる営業活動の「型」を策定した。さらに、「Sansan」に蓄積された顧客データをSalesforceに連携し、全社横断で共有・活用することで部門・拠点横断での営業力の底上げに取り組んでいる。
社員プロフィールを活用した連携強化
日本通運では、部門横断で顧客に向き合うアカウントマネジメント体制を整えるため、「Sansan」を活用した社内ネットワークの強化にも取り組んでいる。その一環として、「Sansan」上の社員プロフィールに、個人の経験・スキル・ノウハウを網羅する仕組みづくりも実施。また、1人ひとりの情報や名刺交換の履歴を基にして、顧客の人物相関図「パワーマップ」に社員情報を追加することで、自社内のキーパーソンを可視化し、顧客との長期的な関係性を維持するために社内連携に取り組む。
日本通運 セールスイネーブルメント部 係長 佐々木彩乃氏のコメント
当社では、市場の変化を背景に、アナログな営業体制を変革する最初の一歩として名刺管理ツールとしての「Sansan」を導入し、活用を推進してきました。その結果、全国1350の営業所と4000人以上の営業パーソンに浸透し、150万件超のデータが蓄積されてきました。そこから営業変革をさらに進めるべく、2023年に創設した「セールスイネーブルメント部」を中心に、営業DXサービス「Sansan」の機能を最大限活用し、営業生産性を高め、「楽に楽しく」営業できる仕組みづくりに取り組んでいます。
当部としては、顧客との接点や出会いを増やすことで、当社の営業に変革を生み出すことを目的にしていますが、闇雲に接点を増やすだけでは、非効率で全国の営業拠点から協力を得ることはできません。「Sansan Labs」と、Sansanの研究開発部にも知見を借りながら、膨大なデータを分析できたことで、データに裏付けられた説得力のある営業戦略の立案につなげられると考えています。名刺管理に留まらない、営業DXサービス「Sansan」の価値を実感するとともに、今後も進化を続けるSansanとともに、データ活用にチャレンジしながら、新たな価値を共創していく取り組みを続けたいと考えています。