マイナビは、20~50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人と、今後3ヵ月で転職活動を行う予定の人1,342人を対象に「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」を実施した。
約ふたりにひとりが「賞与が少ない」ことを理由に転職したことがある。そのうち20代の3人にひとり以上が「1番大きな転職理由だった」と回答
賞与が少ないことを理由に転職をしたことがある人は49.2%(「1番大きな転職理由だった(21%)」と「1番ではないが転職理由だった(28.2%)」の合計)となり、転職理由となった賞与の平均額は28.3万円だった。
年代別では、20代において「1番大きな転職理由だった」の割合が35.2%ともっとも高く、若年層ほど賞与額の少なさが転職の理由になっている。
また、「1番ではないが転職理由だった」と回答した人にいちばんの転職理由を聞いたところ、もっとも多かったのは「賞与以外の給与(月給)が低かった(17.3%)」だった。
予想している夏の賞与額は平均51.8万円、理想は平均94.8万円とギャップは40万円以上。6割以上の人が「夏ボーナスに賃上げの機運を感じていない」と回答
前年夏の賞与額は平均50.1万円、今年予想している夏の賞与額は平均51.8万円となった。自分の仕事に見合う理想の賞与額は平均94.8万円となり、予想と理想の賞与の差は43万円だった。
また、今年の夏ボーナスに「賃上げの機運を感じているか」を聞いたところ、「そう思わない(34.1%)」がもっとも多かった。「あまりそう思わない(28.1%)」と合計すると、62.2%が「今回の夏ボーナスに賃上げの機運は感じていない」と回答した。
役職別には、「夏ボーナスに賃上げの機運を感じていない」という回答がとくに多かったのは「役職には就いていない」人で70.2%だった。
前年もらった夏の賞与額に納得していない人は半数以上。「賞与」への納得感が低い人は「評価」への納得感も低い傾向
前年夏の賞与額に納得感があるかを聞いたところ、もっとも多かったのは「どちらかといえばそう思う(31.2%)」だった。一方、「そう思わない」は53.6%(「あまりそう思わない(30.8%)」と「そう思わない(22.8%)」の合計)となり、半数以上は賞与額に納得していない。
また、直近の自身の評価に納得感があるかを聞いたところ、もっとも多かったのは「あまりそう思わない(31.7%)」だった。「そう思わない(25.9%)」と合わせると、57.6%が評価に納得していないという結果になった。
「賞与への納得感」と「評価への納得感」の相関係数(※)は0.765となり、賞与への納得感が低い人は、評価への納得感も低い傾向が見られた。
※2種類のデータ間の関連性(相関関係)の強さを示す指標。「1」に近いほど相関関係は強くなり、一般的に「0.7」以上は「強い相関関係がある」と判断されている
評価への納得感がない理由は「評価基準の不明瞭さ」「フィードバックの欠如」。半数以上が、評価に納得できたら「仕事の満足度」が高まる
賞与への納得感がない理由は、「世間一般の平均額に遠く及ばない」「全員が一律の金額だから」など金額への不満のほか、「賞与額の計算方法の周知がされていない」など算定基準が不明瞭なため自身の成績が金額に反映されていないように感じるという回答が目立った。
また、評価への納得感がない理由としては、「上司との1on1ができていない」「評価基準がそもそも存在しない・不明瞭」など、フィードバックの有無や評価基準の不明瞭さ、「勤務期間で賞与が決まる」といった年功序列制への不満があげられた。
評価に納得ができた場合、仕事への満足度はどう変化するか聞いたところ、「満足度は高まる」と答えた人は55.7%(「高まる(22.7%)」と「やや高まる(33%)」の合計)だった。
【調査概要】
「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」
調査期間:2024年5月1日~5月7日
調査対象:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20~50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人、今後3カ月で転職活動を行う予定の人(3ヵ月以内に中途入社した人をのぞく)
調査方法:外部パネルによるインターネット調査
有効回答数:1,342名