アドビは、IDC Japanとの共同調査「電子サインの導入効果とさらなる活用に向けた今後の課題とは?」を実施。企業における電子サインの導入・利活用の現状分析と今後の展望についての調査結果を発表した。
同調査は、2022年5月、国内に事業所を置く従業員規模1,000人以上の民間企業および政府・自治体に勤める電子サインシステムの利用者を対象にIDC Japanが実施した。今回は、ポストCOVID-19時代における企業のIT投資、働き方の変化や課題、そしてコロナ禍で注目された電子サインの利用動向などを分析。電子サインを今後導入する、もしくは利用を拡大する方針の企業が、選定を行う際に考慮すべき要因について紹介した。
調査結果
すでに電子サインを導入している企業へ、将来的な利用方針についてたずねた。28.2%が「今後1年以内に利用拡大」、36.2%が「今後2、3年以内に利用拡大」と回答。計64.4%が、今後3年以内での電子サインの利用拡大を検討していた。「利用度合いの変更はない」(30.4%)と合わせると、計94.8%が将来的に電子サインの利用を継続もしくは拡大する方針であることが明らかになった。
電子サイン未導入の企業へ、電子サインを利用しないいちばんの理由をたずねた。その結果、「自社に適した電子サインのツールがわからない」(32.9%)がもっとも多くなった。また、「導入のための社内調整が煩雑」が9.8%、「関連ワークフローの電子化が進んでいない」が9.2%を占めており、情報不足や社内調整の課題が電子サイン未導入の要因のひとつとなっていることが明らかになった。
電子サインの導入効果を感じている要素をたずねた。その結果、「文書保管スペースの削減によるスペースやコスト削減」(78.3%)、「契約期間の短縮による取引の迅速化」(73.9%)、「印刷代など契約業務に関わるコスト削減」(75.0%)、「ドキュメントの一覧性、検索性の向上による効率化」(68.5%)、「社内意思決定の迅速化」(63.0%)が上位に挙がった。これらの要素において、電子サインを導入して3年以上経過している企業のほうが、調査対象全体と比べて導入効果を感じている割合が高くなった。