YKプランニングは、直近10年以内に倒産経験がある経営者(元経営者)を対象に、「企業の倒産理由や原因」に関する調査を実施。その結果を発表した。
- 調査概要:「企業の倒産理由や原因」に関する調査
- 調査期間:2022年6月14日(火)~2022年6月16日(木)
- 調査方法:インターネット調査
- 調査人数:1,003人
- 調査対象:直近10年以内に倒産経験がある経営者(元経営者)
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ
調査結果
倒産時期についてたずねたところ、「コロナ前」が46.7%、「コロナ後」が53.3%という結果に。
倒産の原因は「販売・客足の低下」(49.8%)がもっとも多く、「原材料の高騰や供給不足」(19.7%)、「売掛金の回収不能」18.2%、「人手不足」(17.7%)、「怠慢経営のしわよせ」(14.3%)、「関連企業の倒産」(8.5%)、「不測の事態(病気や事故、天災など)」(8.4%)、「在庫管理の失敗」(7.7%)、「エース・キーマンの退職」(7.1%)、「設備投資過大」(7.1%)、「後継者問題」(6.6%)、「不祥事による信用力低下」(3.7%)と続いた。
倒産の予兆を感じた時期は「1ヶ月前」が6.2%、「~2ヶ月前」が8.0%、「~3ヶ月前」が24.9%、「~6ヶ月前」が28.8%、「~1年前」が17.1%、「~それ以前」が15.0%という結果に。
予兆を感じた理由は「預金通帳残高の大幅減少」(29.7%)がもっとも多く、「大口得意先の倒産」(15.0%)、「競合他社へ徐々に顧客を奪われる」(8.1%)、「顧問税理士からの示唆」(7.6%)、「エース・キーマンの退職」(7.0%)、「原材料の高騰や供給不足」(7.0%)、「銀行からの借入審査が通らない」(4.9%)、「大口仕入先の倒産」(4.7%)と続いた。
倒産を予兆した際の対策は「新しい事業への転換」(24.6%)がもっとも多く、「営業活動・マーケティング広告の拡大」(16.3%)、「追加の資金調達」(16.2%)、「従業員のリストラ」(15.8%)、「一般経費の削減・見直しによるコスト削減」(14.2%)、「不採算事業の縮小・撤退」(13.7%)、「既存事業の新市場への参入」(13.6%)と続いた。
倒産前(1年以内)に誰に相談していたかたずねた。「顧問税理士・会計士」(40.0%)がもっとも多く、「家族」(24.9%)、「経営者仲間」(21.1%)、「金融機関」(18.8%)、「社内従業員」(16.5%)、「取引先」(12.4%)、「誰(どこ)にも相談しなかった」(10.6%)、「顧問弁護士」(9.4%)、「経営顧問・経営コンサルタント」(8.1%)、「商工会や商工会議所」(4.3%)、「株主・出資者」(4.2%)と続いた。
倒産前(1年以内)に行った資金調達手段は「金融機関からの融資」(42.0%)がもっとも多く、「補助金や助成金」(21.4%)、「会社資産の売却」(20.1%)、「親族・知人からの借入」(14.0%)、「法人ビジネスローン」(13.8%)、「増資」(12.4%)、「売掛債権のファクタリング」(8.7%)、「クラウドファンディング」(5.1%)と続いた。
経営者個人だけで倒産を防ぐための具体的な対策を立てることは難しいと思うかたずねたところ、「とても難しいと思う」が50.5%、「やや難しいと思う」が37.6%、「あまり難しくはないと思う」が8.4%、「容易だと思う」が3.5%という結果になった。
やっておけば良かった、あるいは倒産を防ぐことができたと思うことは「不測の事態を考慮した内部留保(資金留保)」(38.5%)がもっとも多く、「行き当たりばったり経営でなく計画的な事業の推進」(30.0%)、「経営戦略面での決断(新しい事業への転換、新市場への参入、不採算事業の撤退など)」(25.0%)、「顧問税理士・会計士に早めの事前相談」(12.2%)、「事業の一部売却による資金化」(12.0%)と続いた。
「不測の事態を考慮した内部留保(資金留保)」を選んだ回答者に、具体的な理由をたずねた。フリーコメントによる回答は次のとおり。
- 内部留保がなければ不測の出費に対応できないため(30代/男性/愛知県)
- 不祥事が起こるのは内部なので立て直す資金は別口で必要(30代/女性/神奈川県)
- キャッシュがないとコストカットするための施策もできない(50代/男性/神奈川県)
- 内部留保を厚めにすることで経営的にも余裕ができるため(50代/男性/福岡県)