とにかく出張の多い販売局 経理も営業も業務が嵩む
本セッションには、株式会社毎日新聞社から経理本部・邊見和義氏と東京本社代表室/委員・渡部竜之介氏が登壇。株式会社ラクス・黄木悠二氏の司会で進行した。
ラクスの「楽楽精算」は累計4,500社に導入されている経費精算サービス。ICカードやコーポレートカードとの連携より交通費や経費を手入力の手間なく精算できるツールだ。今回のセッションでは、新聞社における売上の大動脈である販売局への「楽楽精算」導入事例が展開された。
渡部氏はまず所属する「東京代表室」の機能について説明した。
「新聞社には記者以外にも、さまざまな職種があります。かつ、多くの支社に分かれていることもあり、職種間において課題や問題が発生することもしばしばあります。そのような職種間の利害調整を行うことが東京代表室の仕事のひとつです」(渡部氏)
今回導入事例として挙げられた販売局はどのような課題を抱えていたのだろうか。
各地域の販売店と連携して新聞の部数を拡大し収益を上げるため、各販売店を担当する販売局社員=「担当員」は受け持ちエリアの販売戦略や整備に責任を持つことが仕事だ。ときには販売店の経営状況についても踏み込む必要があり、コンサル営業のような役割を担っている。一方社内に戻れば、営業報告や売掛金の管理、予算の制定などを行う必要があり、業務は常に立て込んでいる。
担当地域にもよるが、仕事の範囲は全国に及ぶ。東京本社・販売局の担当範囲は青森から静岡まで。渡部氏自身も販売局出身であり、月の半分ほどを岩手県で過ごしていた時期もあるという。
一方、経理を担当する邊見氏だが、実はすでに新聞の広告販売を担当する広告局という100名規模の営業組織へ楽楽精算を導入済みだったため、販売局への導入もすんなりと進むのではないかと考えていた。
「最初に販売局に話を持ち掛けてみたときに『難しいよ』と言う声が出たんですね。これは調整していかないといけないなと考え直しました」(邊見氏)
実際の導入にあたって、コーポレートカードの導入もセットで考えた。販売局は出張が多く、飲食費用も多い。仮払い金の出納事務が嵩んでいたこともあり、その効率化も必要だと感じていた。
「販売局は新聞社の売上の大半を稼いでくるような部署です。最初に抵抗があると導入が一気にストップしてしまいます。かんたんな作業であること、調整役として代表室に最初に入ってもらうことのふたつが導入の肝だと思いました」(邊見氏)