ナレッジワークは、2025年5月1日に商談解析AI「JamRoll」を展開するPoeticsの全株式を取得したことを発表した。

株式取得の目的
1.製品シナジー:さまざまな営業プロセスを支援

ナレッジワークは、大手企業向けにセールス・イネーブルメントAI「ナレッジワーク」を提供している。これまで、営業資料の発見・共有を支援するナレッジ領域プロダクトや、商談シナリオの作成・資料準備を支援するワーク領域プロダクトを通じて、営業担当者の商談前プロセスを支援してきた。

一方で、Poeticsは商談解析AI「JamRoll」(商談の書き起こし・要約、CRM/SFAへの自動入力)において、営業担当の商談後のプロセスを支援してきた。

今回、ナレッジワークとJamRollを連携・統合することにより、営業担当の商談に関わるさまざまなプロセスを支援することが可能になる。たとえば、JamRollの商談書き起こし・要約の内容を元に、次回の商談で利用する営業資料をナレッジワークでレコメンドするなどの連携機能を提供できる。
2.技術・人材シナジー:セールスAIエージェントの開発・提供
ナレッジワークは、プロダクトとセールス・イネーブルメント支援をさまざまな大手企業に提供してきた。一方Poeticsは、CEOの山崎はずむ氏を中心に、音声・言語解析AIの開発を進めてきた。これまでに、AWS Generative AI AcceleratorやGoogle Launchpad Acceleratorへの採択、経済産業省「J-Startup」認定といった実績を有する。
Poetics CEOの山崎はずむ氏がナレッジワークCAIOに就任
今後は、両社の技術力と人材が連携することで、営業担当者向けのセールスAIエージェントの開発・提供に取り組む。あわせて、Poetics 代表取締役の山崎はずむ氏がナレッジワークの執行役員 CAIO(Chief AI Officer)に就任し、ナレッジワークのAI戦略およびセールスAIエージェントの開発を率いる。
Poetics 代表取締役 山崎はずむ氏のコメント

商談解析AI「JamRoll」を提供するPoeticsの代表取締役。バック・グラウンドは人文学。ヨーロッパ最大級のピッチ・コンテスト、Pitch Your Startup 2018(ルクセンブルク)でアジア企業として初めて優勝するなど、これまで国際的なピッチ・コンテストで6度優勝。国内ではB Dash Camp 2023 Sapporoで優勝。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。ニューヨーク大学大学院特別研究員(2013-2014)。ソフトバンクアカデミア15期生。
今回のM&Aによりナレッジワークの皆様とご一緒できることをとても楽しみに、そして誇りに思っています。日本の大手企業様のセールスイネーブルメントをトップランナーとしてけん引されてきたナレッジワーク社のプロダクト開発力やイネーブルメントの力と、Poetics社が有するAIの研究開発力と実装力が溶け合っていくことで、日本を代表するスタートアップがつくれると確信しています。
ナレッジワーク CEO 麻野耕司氏のコメント

2003年、 慶應義塾大学法学部卒業。 2003年、リンクアンドモチベーション入社。2016年、国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」立ち上げ。2018年、同社取締役に着任。2020年4月、ナレッジワークを創業。 著書:『NEW SALES-新時代の営業に必要な7つの原則-』(ダイヤモンド社)『THE TEAM-5つの法則- 』 (幻冬舎)※10万部突破、『すべての組織は変えられる』(PHP研究所)
Poetics社 CEO 山崎さんとの対話の中で、Poetics社とナレッジワーク社には製品・技術・人材について素晴らしいシナジーがあると確信したこと、そして「セールスAIエージェント」に関するビジョンや戦略が完全に一致したことから、Poetics社の皆様とご一緒させて頂くことになりました。本M&Aにより、ナレッジワークは営業支援=セールスイネーブルメントにおいて、世界でもトップクラスのプロダクトラインナップを提供する会社になります。今後はPoetics社のAI技術やデータと、ナレッジワークのマルチプロダクトとセールスイネーブルメントノウハウを活かして、「セールスAIエージェント」の提供において卓越した存在を目指したいと思います。