「顧客起点」で行う営業手法「インテントセールス」を実現する「Sales Marker(セールスマーカー)」を開発・提供するSales Markerは、AIエージェントとゲーミフィケーションを実装した営業体験を実現する「インテントAI」の提供を開始した。
背景
「就きたくない職種」1位にセールスがランクインする(※)など、セールスにはネガティブな印象がある。その背景には、属人的で再現性の低い営業プロセスや、手当たり次第の営業における非効率さや膨大な作業の発生による長時間労働、ノルマが達成できないことによる心身の不調など、セールス現場での悩みや課題がある。
また、労働人口の減少や人材流動性の高さを背景に、人材の確保や定着は難度を増しており、「トップセールスがやめてしまい売上が下がらないか心配」という課題も発生。このような背景から、セールスパーソンが営業活動に熱中して取り組むことができる環境の整備や、組織全体の営業力の標準化・底上げに対する打ち手が急務となっている。
Sales Markerは、これまで500社以上の企業を対象に、「Sales Marker」を通じて「顧客インテント(興味関心)」を起点としたセールスの実践を支援してきた。支援範囲が広がる中、導入企業の中には「『Sales Marker』を活用しきれていない」という課題もあった。ISC(インテントセールスコンサルタント)のサポートにより、アプローチ数を増やすためのKPI設計やUSPの整理、最適なメッセージングなど成果創出まで伴走してきたが、サポートが属人的になってしまう側面も出てきた。
今回のアップデートでは、初めて「Sales Marker」を活用するユーザーでも直感的にインテントセールスを実践できる「チュートリアル機能」を新たに開発。インテントセールスで成果を創出するために必要なステップを確実に実践できるように、ヒューマン・セントリック・サービスの概念を取り入れたユーザーインターフェースとユーザー体験に刷新した。
また、インテントセールスの実践レベルに応じてユーザーランクが上がる「ミッション機能」を搭載。ミッションをこなすだけで新機能のオンボーディングや必要なアクションを迷わず実行できるようになる。そのほか、ユーザーと競い合う「ランキング機能」も実装するなど、ゲームのような感覚で、営業活動をモチベーションの高い体験へ進化させることを支援する。
※ジョブ図鑑「今働いている職場と仕事に対する本音についてのアンケート調査報告(2022年1月)」を参照
「Sales Marker」の新機能
1.インテントシーケンス
これまで提供してきたマルチチャネルアプローチを自動実行できる「シーケンス機能」。アポ取得率を改善する自動運用と、アプローチごとの効果検証が可能になる。
2.パーソナライズメッセージ
アプローチ先の個人ごとにAIが自動で文面を生成する。インテントフォームやインテントメールでは、送付先企業名、部署名、役職名、名前を挿入することでアテンションを高めるだけでなく、対象企業ごとに提供できる内容をパーソナライズする。
3.インテントジェネレーション
インテントシグナルが不足していたり、精度が弱いという懸念を払拭するために行う施策。ターゲット企業に対して広告を配信するインテント広告だけでなく、インテントエコシステムパートナーとの協業で、認知・ブランディングキャンペーンを実施し、セールスシグナル増加に寄与する。
4.インテントパウダー
インテントAIにより、自社の商品やサービスの魅力度やUSPを自動で分析し、サービスの概要やカテゴリの概要、顧客の課題やペインポイントなどの項目ごとに文章を生成する。
5.業界・拠点インテントデータ
業界インテントデータと拠点インテントデータにより検知可能な企業数を約6倍に拡張。
「ゲーミフィケーション」とは
ゲーミフィケーションは、ゲームのメカニズムやデザイン要素を⾮ゲームの分野に応用することで、利用者の動機づけやエンゲージメントを向上させ、必要な行動を促すことを指す。
Sales Markerでは、現代のBtoB向けSaaSにおいて、煩雑で非効率なタスクを「AIエージェント」で自動化し、直感的な体験を「ゲーミフィケーション」で提供することが重要だと考えている。技術を活用し、組織の学習力と生産性を向上できる設計にすることで、「誰もが思わず熱中し、かつ成果を出せる世界」をつくるヒューマン・セントリック・サービスを目指す。
ヒューマン・セントリック・サービスは、システム都合で最適化されたサービスではなく、ユーザーの心理的・感情的ニーズを中心に据えた“人間中心設計”を実現するための概念。
Sales Markerでは、組織に求められる成果とユーザーの現状を踏まえたうえで、必要なアクション指針を示すセールス・イネーブルメントの役割を担う「インテントAI」を開発・実装した。これにより、ユーザーが成長しながら成果を上げることができる営業プロセスの構築を支援する。
セガエックスディー「ゲーミフィケーションとは」参照
Sales Marker 代表取締役CEO 小笠原氏のコメント
「営業を辞めたい」と考えている人は、約8割にのぼると言われています。実際に、営業職の方の多くが強いストレスを感じており、燃え尽き症候群のリスクが高いことがさまざまな調査で報告されています。これは個人の問題であることはもちろん、企業全体のパフォーマンスにも大きな影響を与えかねない深刻な問題です。
当社は2022年3月より、国内で初めてインテントセールスを提唱し、これまで“顧客に感謝される営業活動”への変革を通じて企業の事業成長を支援してまいりました。また、2023年10月より、世界初の「AIセールス」を提供開始し、AIエージェントを活用したインテントセールスのご支援を加速しています。
この度、500社を超える企業の支援を通じて培った独自の理論とベストプラクティスを「インテントセールスの3つの主要論点」として整理し、この3つの主要論点をもとに、シンプルなプロセスで事業を成長させられるよう、ゲーミフィケーションを取り入れた「インテントAI」をご提供する運びとなりました。
インテントAIによって、シンプルで直感的な操作を通じてセールスパーソンの成長を促進し、生産性を飛躍的に向上させるとともに、営業活動をより楽しい体験へと進化させます。
「インテント経営モデル」をグローバルスタンダードにしていくことが、Sales Markerの目指す未来です。そのためには、ユーザー・従業員・潜在顧客のインテントをより高度に捉え、そのインテントを中心にAIとシステムが機能していく「ヒューマン・セントリック」の考え方をいかに実装できるかが鍵を握っています。この新たな体験をビジネスにおける当たり前にしていくことで、「全ての人と企業が、既存の枠を越えて挑戦できる世界」の実現を、ますます加速させてまいります。