S1出場の経緯とプリセールスへの思い
──まずはS1の優勝おめでとうございます。出場のきっかけは何だったのでしょうか。
S1の運営陣に元Salesforceのトップ営業の方がいて、その方から声がかかったんです。自分はプリセールスだったため、以前の出場者が全員「営業」だったことが少し気になりましたが、S1の評価指標を見てみると、「顧客志向」「オリジナリティ」「再現性」という3つの要素が挙げられていました。Salesforceでは顧客理解のトレーニングを手がけてきたので、これまでの経験がフィットすると感じました。
そして、大きなモチベーションとして、自分のエンジニアキャリアに大きなインパクトを与えたプリセールスという職種のプレゼンスを高めたいという思いがありました。とくに、Salesforceのプリセールスはほかの外資系企業のプリセールスとは異なり、営業よりも営業らしい側面を持っている。そんなプリセールスの特徴や面白さを共有することで、存在感を出していきたいと考えたのです。
さらにシステムエンジニアの自分が優勝できれば、営業の再現性を高める育成や環境づくりに関しては「テクノロジーの活用」が有効だという証明にもなります。結果的には、それが自社の事業拡大にもつながると思い、出場を決めた次第です。
──呉縞さんがプリセールスになった経緯を教えていただけますか。
新卒でNECソリューションイノベーターに入社しました。2年めに外資系SaaSのアライアンスに携わり、このとき初めてSalesforceを触ったんです。コーディングはできない自分でも、容易に扱える操作性に感銘を受けたことをいまでも覚えています。その後、流通事業部でチケットサービスの開発に関わり、SIerとしての基礎を身につけます。9年めの終わりごろ、Salesforceに転職した先輩から声がかかり、話を聞く機会を得ました。
プリセールスとしての転職を決意した理由は大きくふたつ。ひとつは、「お客様と直接ビジネスの話をしたい」という思いが強くなっていたから。もうひとつは、「Salesforceであれば自信を持って提案できる」と考えたからです。もともと、自分が良いと思ったものをおすすめすることが、好きで得意でした。大学時代には、20人ほどの友人にMacをおすすめして切り替えてもらって、そのサポートまで行ったこともあるくらいです(笑)。