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2024年4月18日(木)14:00~15:30

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FABとは?営業や提案、資料作成まで使える基本のフレームワーク

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 セールストークや提案、資料作成などの場面で使える分析方法、フレームワークに「FAB」というものがあります。商品やサービス、提案を相手にただ伝えるのではなく、心に響くような伝え方をするために必要な要素をまとめたのが「FAB」です。FABを使って効果的なセールストーク、提案を行うために、FABの概要や具体例、活用のコツを知っておきましょう。

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FABとは

 FABは、FAB分析、FABフレームワークなどと呼ばれる手法のひとつで、思考を整理したり、提案の道筋を作ったりするために使われます。具体的には、マーケティングや営業トーク、プレゼンなどによく使われる手法で、F・A・Bの3つのポイントを順序立てて打ち出すことで、相手にとっての利益をより効果的にアピールできる方法です。

「ある商品やサービスを購入することで(あるいは、プレゼンを承諾することで)、顧客や経営陣にとってどんな利益を受けられるのか」をFAB分析、FABフレームワークで整理し、順序立てて訴求することで、購入やプレゼンの成功につなげやすくなります。さらに、FABのそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

F(Features)とは

「F(Feature、Features)」とは日本語で「特徴」のことを指します。その商品やサービス、企画にどんな際立った機能や特長、仕様があるかを示すのが「F(Features)」です。

「F(Features)」を抽出する際には、「一言で言うとどんなことか」を意識し、簡潔にまとめるのがポイント。機能や仕様をただ羅列するだけでは、聞いている側の印象に残りにくく、結局なにが良いところなのかわからなくなってしまいます。

「F(Features)」はシンプルに、かつわかりやすくまとめることを意識しましょう。

A(Advantages)とは

「A(Advantage、Advantages)」とは日本語で「利点」のことを指します。その商品やサービス、企画が持つ「F(Features)」によって直接的にどんな利点を得られるかを示すのが「A(Advantages)」です。

 Aは「優位性」と訳されることもあり、競合に対する優位性を示すことで商品やサービス、企画の利点を表すのがポイント。商品の機能や仕様から一歩進んで、「商品やサービスが持つ特徴により、(競合と比べて)このような利点が得られる」と展開するのが優位性です。

「A(Advantages)」をまとめるには、競合が扱う商品・サービスのターゲットや価格帯、プロモーションなど、マーケティングの観点から多角的に分析する必要があります。

B(Benefits)とは

「B(Benefit、Benefits)」とは、日本語で「利益」のことを指します。商品やサービス、企画を通じて顧客や経営層がどのような利益を得られるのか、どんな価値を感じられるかを示すのが「B(Benefits)」です。FやAが現在のことについて語っているのに対し、Bは未来のことを語ると位置づけられます。

 Bは「顧客便益」と訳されることもあり、FとAで述べてきた優位性、利点が顧客や経営層自身にどんなメリットがあるかを述べるのがポイント。一見、FとAだけでも顧客や経営層にとっての利点が示されるように思いますが、この時点ではまだ主語が「商品やサービス、プレゼン本体」です。

 しかし本来、商品やサービスを購入したり、プレゼンを承認したりするのは商品やサービス、プレゼンそのものが重要だからではありません。それらを通じて利益が生まれることが重要なのです。そのため、本当に相手の心に届く提案やプレゼンを行うためにはこの「B(Benefits)」に抜けや漏れが起こらないようにする必要があります。

「B(Benefits)」をまとめる際は、数字を使って定量的に示せるとベストです。たとえば「商品を購入することで、作業時間を20%短縮できる」「サービスを導入することで、業務負荷を3割減らせる」「この企画によって、売上が5%アップする見込み」などの見せ方が効果的です。

FABE分析とは

 FAB分析、FABフレームワークに「E(Evidence)」を加えて「FABE分析(FABEフレームワーク)」として使われることもあります。「E(Evidence)」とは日本語に訳すと「証拠」のことで、これまで説明してきたF・A・Bを裏付けるデータや事例のことを言います。

「E(Evidence)」には、国が公表しているさまざまな資料や大学の学術研究、論文などの定量的・定性的なデータはもちろん、自社の商品やサービスを実際に使っている顧客の声や導入事例なども当てはまります。

 とくに、BtoBの商品やサービスでは、導入事例を「E(Evidence)」として伝えることで、顧客の社内で提案が通りやすくなります。きちんと裏付けを行うことで、顧客からの信頼性も高まり、より話を聞いてもらいやすくなるでしょう。

FAB分析を活用する具体例

 では、実際にFAB分析を活用するにあたり、3つの具体例を見ていきましょう。

FABを使って商品を売る

 まず、もっともポピュラーな「FAB分析を使って商品・サービスを売る」という営業トークの場合です。たとえば、ある顧客にティーカップという商品を売ろうと思った場合、以下のようなFABが考えられます。

  • F(Features):このティーカップには、取っ手がついている
  • A(Advantages):取っ手によって、熱い飲み物が入っていてもやけどせずに持つことができる
  • B(Benefits):取っ手があるティーカップで、温かい飲み物を安全に楽しめる

 ほかにも、スマートフォンを売る場合、以下のようなFABが考えられます。

  • F(Features):このスマートフォンには、ポートレート機能つきのカメラが搭載されている
  • A(Advantages):ポートレートモードにより、人物をより美しく撮影できる
  • B(Benefits):ポートレートモードによって、思い出の写真をより美しく残すことができる

プレゼン資料の作成にFABを活用する

 プレゼン資料の作成にも、FAB分析が活用できます。提案の枠組みや大枠のコンセプトを決めるためにFAB分析が役立ちます。プレゼン資料をFABに沿ってまとめる際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • F(Features):商品やサービスの概要と特長を、シンプルにまとめる
  • A(Advantages):Fでまとめた特長について、競合との優位性を数値などで具体的に示す
  • B(Benefits):顧客の状況に合わせて、どんな悩みや課題を解決できるか、どんなメリットが得られるかをアピールする

経営陣をFABで説得する

 プレゼンで経営陣を説得する場合にも、FAB分析が有効です。たとえば、新製品を打ち出す際のFABE分析では、以下のようなポイントを押さえるとよいでしょう。

  • F(Features):新商品を打ち出すことは、戦略上どんな位置づけになるか
  • A(Advantages):新商品を打ち出すことで、売上拡大やシェアアップ、市場拡大につながるかどうか
  • B(Benefits):経営計画の達成や競合に勝つこと、ステークホルダーからの信頼が得られる、など

FABを活用するコツ

 FABを活用するためには、主に以下の3つのポイントを意識しましょう。

FABでは「連鎖」が重要

 FAB分析では、F・A・Bそれぞれの要素が独立しているわけではなく、各要素は連鎖的に捉えられます。たとえば、FによってAが導かれ、それによって最終的にBというメリットに結びつく、といった具合です。相手にとってもっとも重要な「B(Benefits)」を導くために、FとAがあると言ってもよいでしょう。そのため、F・A・Bを一連の流れ、連鎖で捉えることが重要なのです。

ターゲット設定を明確にする

 FAB分析では、ターゲット設定を明確にすることもポイントです。セールストークなら目の前にいる顧客を、商品やサービスのプレゼンなら商談の交渉相手を、経営陣の説得なら経営層がターゲットになります。

 ターゲットを細かく、かつ具体的に設定していないと、せっかくFAB分析を行っても相手に響く説得やプレゼン、セールストークが行えません。1人ひとり異なる「B(Benefits)」を正しく理解するためには、ターゲット設定を明確にすることが重要です。

FABの前にコミュニケーションをとる

 ターゲット設定でも触れたように、FABでは相手の「B(Benefits)」を知ることがカギとなります。そのためには、FAB分析の前にできるだけ顧客とコミュニケーションをとり、顧客の持つ価値観を聞き出しておくことも重要です。どんな価値や利益を求めているのか把握することで、アピールに説得力を持たせられます。

FABを活用し、よりよい提案や資料作成につなげよう

 FABとは「Features(特徴)・Advantages(利点)・Benefits(利益)」の3つの頭文字を取った手法で、ここに「Evidence(証拠)」を加えてFABEとして使われることもあります。いずれの場合でもF・A・Bの連鎖を意識し、詳細なターゲットを設定することでよりよい「Benefits(利益)」をアピールできます。今回ご紹介した具体例やコツを参考に、効果的な提案や資料作成につなげましょう。

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