テレアポにおける営業スクリプトの重要性
テレアポで使用されるスクリプトは、営業活動に欠かせないベースとなるものです。なぜスクリプトが重要といわれるのか、その理由を解説します。
トークスクリプトとは
トークスクリプトとは、営業活動で顧客に対するトークの内容をあらかじめ定めた台本のことです。とくにテレアポと呼ばれる電話営業では必ず使用され、トークスクリプトに則ってコールを行います。
コールスタッフの即戦力化
トークスクリプトがなぜ重要なのか、それはテレアポの担当者が即戦力として活躍するために必要だからです。営業したい商品やサービスの知識が豊富でなくても、トークスクリプトに則って話すことでアポイントの獲得が可能になります。
コール内容の普遍性
テレアポは個々で行う営業活動です。同じ商品やサービスを紹介しているのに、属人的になることは非常にリスクが高いため、マニュアルともいえるトークスクリプトの作成が必須となるのです。トークスクリプトの存在がコール内容の普遍性を生み出します。
アポイントの質向上
テレアポで獲得するアポイントには品質があります。「名刺交換だけ」「ご挨拶だけ」のアポイントが10件あるよりは、商談の時間を30分でも取ってくれるアポイント1件の方が成果につながります。
営業のトークスクリプトは、クロージングの機会をしっかりとつくることができますので、アポイントの品質向上に直結するのです。
テレアポにおける営業スクリプトの問題点
トークスクリプトはあるのにテレアポ営業の成果が上がらない場合は、トークスクリプトに問題点があることが考えられます。どんな問題点が考えられるのか、主な3つの原因についてご紹介しましょう。
会話ができる構成になっていない
営業向けトークスクリプト自体が、相手との会話ができる構成になっていないことです。
- 商品の説明を一気にする
- 相づちや質問が来ることを考慮していない
- 語尾が話し言葉になっていないため不自然な印象を与える
など、相手に「一方的な営業!」と思われた時点で、トークスクリプトの存在は逆効果になります。
臨機応変な対応が身につかない
テレアポ担当者の営業経験が浅い場合、トークスクリプト通りに話そうとすることによって、臨機応変に対応できない可能性があります。トークスクリプトから脱線しないことが優先となり、相手の反応や空気を読むスキルが育ちにくくなるのです。
依存度が高くなる
トークスクリプトがあることで依存度が高くなり、テレアポ担当者が自主的な商品(サービス)研究をしなくなることも問題点のひとつです。
トークスクリプトへの依存度が高くなると「これさえ手元にあれば大丈夫」と思い込み、「トークスクリプトを読むこと」が仕事になってしまいます。朗読のようなトークをされても、アポイントはいつまでも取れません。
営業で成果を出すトークスクリプトの作り方と注意点
営業で成果を出すトークスクリプトには、重要なポイントがあります。トークスクリプト作成時にどんなことに注意すべきなのか、5つのポイントを押さえておきましょう。
1.キーマンと目的の設定を明確に行う
BtoB・BtoCどちらの場合も、キーマンは誰で何を目的にテレアポを行うのかを明確にします。
- 情報システム担当者に新サービス紹介のためのアポイントを取る
- 旧製品を導入しているユーザーに新商品のメールを送信することの承諾を得る
- 家計の管理者に保険商品に関するヒアリングを行う
など、各案件によって決定権のあるキーマンや目的は異なります。トークスクリプトの中には、担当者確認と目的の伝達を必ず盛り込みましょう。
2.基本となる構成を作成する
キーマンと目的が設定されたら、大まかな構成を組み立てます。
- 名乗り・自己紹介
- 用件の説明・目的の伝達
- 担当者確認
- 商品やサービスの概要
- クロージング
- 断られた場合の切り返し
- 最終的に断られた場合の着地点
などが一般的な営業用のトークスクリプトです。
ポイントはクロージングを何度も盛りこむこと。1回断られて引いてしまっては目的達成ができませんし、切り返しトークばかりでは相手を疲弊させます。
3.トップオペレーターの会話を参考に文章を作る
トークスクリプトを作成するときは、トップオペレーターの会話を参考に文章を作りましょう。トップオペレーターは言葉の言い回し・クロージングのタイミング・相手への傾聴姿勢が抜群に優れているものです。
- どのような言葉を選んでトークしているか
- 商品やサービスの説明のわかりやすさ
などを参考にすると、現場に即した有効なトークスクリプトが作成できます。
4.読み合わせで不自然な表現を改良する
大まかな文章が作成できたら、必ず声に出して読み合わせを行いましょう。読むだけの文章とトーク用の文章とでは根本的に異なります。話しにくい不自然な表現を改良することで、より自然なトークスクリプトになるはずです。
5.営業のトークスクリプトは決してひとりで作らないこと
営業のトークスクリプトは、必ず複数人でつくり上げるようにしましょう。
- 読み合わせ
- 商品説明の確認
- 語尾の調整
などは、複数人で確認することが大切です。独りよがりのトークスクリプトは、成果を生みませんので注意します。
営業トークスクリプトを使ってアポを取る3つの秘訣
営業のトークスクリプトを作成したら、次に、それを最大限に活かしたアポの取り方の秘訣について説明します。どんな秘訣があるのか、ぜひ参考にしてください。
1.御用聞きにならない
テレアポで陥りやすい落とし穴は、御用聞きになってしまうことです。断られるのが怖いからといって、挨拶程度の話で終わってはいけません。トークスクリプトにあるクロージングを必ず行うことがポイントです。
2.クロージングを複数回行う
クロージングは必ず複数回行いましょう。1回のクロージングでYESを出すキーマンはゼロといっても過言ではありません。断り→切り返し→クロージングのフローを何回も行ってください。
3.自分らしさを出す
完成されたトークスクリプトであっても、自分らしさを出すことは非常に重要なポイントになります。「ただ読んでいる」「一方的な営業」と思われた時点で、テレアポは失敗です。
中には相手が面白がって答えにくい質問をしたり、クレームをつけてきたりするケースもあります。つくり上げられたトークスクリプトを自分のものにすることで、アポを取る近道となるのです。
まとめ
営業活動……とくにテレアポにおけるトークスクリプトは非常に重要です。アポイントの品質向上やコール内容の普遍性だけではなく、教育面においても効果を得られます。
作成時は複数人で読み合わせを行うこと、切り返しのトークを準備しておくことがポイントです。少しでも効果的な営業活動になるよう、トークスクリプト作成のコツを覚えておきましょう。